小川一水のミステリー短篇集。1作目と2作目はSFっぽくなくもないか。
「星風よ、淀みに吹け」月面基地での閉鎖環境における活動に関する適性をテストするための閉鎖施設BOX-Cで、テストの完遂を直前に、一人のメンバーが二酸化炭素の溜まったピットのなかで発見される。
「くばり神の紀」富豪の妾腹として生まれた女子高生が、それまで会ったこともなく冷淡であることで知られる富豪に臨終の枕元に呼ばれ、屋敷を譲り受けることに。
「トネイロ会の非殺人事件」巧妙な恐喝を続ける男の被害者十名が集まり、男を殺そうとするが、十名の中に一人だけ手を下さなかったものがいた。
2013年1月21日月曜日
トネイロ会の非殺人事件
2013年1月18日金曜日
原子力戦争
1970年代に書かれた、ドキュメント・ノベル。バックグラウンドはドキュメントだけど、ディティールはフィクション、ということなのか。原発を民間企業がリードするか、通産省がリードするかの争い、米国の2つの原発開発企業間の争い、さらにはそれに割ってはいろうとする西ドイツの企業、原発からなるべく多くの金を引き出そうとする近隣住民、愚かな国民を導いているという態度を隠さない通産官僚、危険性を知らされずに搾取される現場の下請け労働者。
時代は違うけど構図は驚くほど変わらない。福島第一の原発は、このころにはすでにあり、このころから故障しがちだったらしい。笑えない。40年近くたっても核廃棄物の最終処分先が決まってないなんて、このころは想像もしなかっただろうなあ。
妖怪文化入門
妖怪文化入門、というよりは、妖怪文化研究の入門書。 さまざまなテーマに対して、これまでどのような研究がなされてきたかを 概観している。
研究紹介になってしまっているので、若干突っ込みが足りない感あり。
角川学芸出版 (2012-06-22)
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2013年1月13日日曜日
夜の試写会 (リディア&ビル短編集)
ハードボイルド推理小説短編集。 適当に借りてきたのだけどなかなか面白かった。 ニューヨークを舞台に、 中国系二世の女性探偵リディア・チンと、ピアノが趣味の中年白人男性探偵ビル・スミスが、 着かず離れずのコンビを組む長編シリーズからの短篇集。 コンビの話もあるし、リディアだけ、ビルだけしか登場しないものもある。 どれも陰影があってよい。長編も読んでみよう。
この短篇集、日本オリジナルなのだけど、ちゃんと英語タイトルもついている。 不思議なことに英語タイトルの方は「夜の試写会(Film at Eleven)」ではなくて「ペテン師ディランシー (Double-crossing Delancey)」が表題になってる。たしかに「夜の試写会」のほうが、雰囲気があっていいと思うけど。
東京創元社
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2013年1月9日水曜日
屍者の帝国
期待されながら夭逝したSF作家伊藤計劃の遺作を、盟友の円城塔が引き継いで書いたという異色作。伊藤計劃が書き残した冒頭部はNOVA1に収録されている。
ひとことで言ってしまえば、ゾンビがでてくるスチームパンク。この世界ではフランケンシュタインに端を発した死体再生技術が産業にまで発展し、死体に霊素をうわがきすることで再生した屍者を単純労働に使役することが一般化している。舞台は、アフガニスタン国境の山地から、日本、アメリカと点々。浜の離宮での大立ち回りまで。
屍者の暴走事件が頻発し、その背後に秘密の組織があることを察知した英国情報部が若い主人公をスカウトし、追跡させる。秘密の組織の背後には、最初の屍者が。。主人公はあのワトソン博士、付き従う記録担当屍者はフライデー、レット・バトラーやカラマーゾフ兄弟、ハダリー、ヴァン・ヘルシング、果てはチャールズ・ダーウィンなどどなどどこかでみたような名前の登場人物がぞろぞろと出てきてそれだけでも楽しい。バーナビーはどこから来てるんだろう。ぐぐるとTiger and Bunnyのバーナビーばかり引っかかって他のが出てこない。。 ディケンズのバーナビー・ラッジという作品に人並み外れた怪力の「バーナビー」がでてくるようだが、かなりイメージが違うな。 蒸気で動く巨大な解析機関をパイプオルガンで操作するというイメージもかっこいい。これはダンガードAのドップラー総統のイメージか?
昨年はなんと100冊に到達しなかったので今年はもっと読みたい。 まずは、元ネタをちゃんとよんでみないとなあ。「カラマーゾフの兄弟」は大変そうだ。。 「未来のイヴ」「吸血鬼ドラキュラ」あたりも。
2012年12月30日日曜日
玉子ふわふわ
古今の数あるエッセイから、玉子に関するエッセイを集めたもの。 良くもこんなに集めたものだ。しみじみと良い物が多いのはやはり 玉子という素材によるものなのだろうか。
驚愕のレシピがひとつ。八朔の果肉をほぐしたものに卵黄と砂糖を混ぜて食べる「ハッサク玉子」なるもの。 これってどんな味なんだろう???やってみたいようなやってみたくないような。
タイトルの「ふわふわ」というレシピもあるらしい。これは 出汁を薄く張って煮立てたところへとき卵を流し込んで蓋をして蒸すというもの。 汁物の卵とじの卵の部分だけ食べるみたいなものだろうか。ウマそう。
たっぷりのバターで作った半熟目玉焼きをご飯に乗せて食べる、という 卵焼き丼も美味そう。バターご飯と卵かけごはんのハイブリッドというか。
この本にはでてこないけど、中華料理の巨大な茶碗蒸しみたいなものもうまいんだよね。 あまり置いている店を見ないのはなぜなんだろうか。。