2013年4月24日水曜日

スピンク日記

スピンク日記 町田 康 ISBN4062168030 講談社

パンクロッカーであり、芥川賞作家でもある町田康による脱力エッセイ。 プードルのスピンクの一人称で、飼い主である主人・ポチとその奥さん美徴さん、 兄弟のキューティとの生活を描く。プードルと言ってもいわゆるミニチュア・プードルではなく スタンダード・プードルなので、実は相当大きいらしく、主人の服を噛み破ったりしてる模様。 それでいいのか。自虐的な視点がおもしろい。奥さんもただものではない。

講談社の情報誌「本」の連載をまとめたもの。この「本」は連載が粒ぞろいなのに ただなのでおすすめだ。最近なかなか入手できないけど。。

スピンク日記
スピンク日記
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町田 康
講談社
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2013年4月17日水曜日

敵は海賊・海賊の敵

敵は海賊・海賊の敵 神林長平 ISBN4150310939 ハヤカワ文庫JA

海賊よりも海賊的な海賊課のラテル(人間)、アプロ(ネコ型異星人)、ラジェンドラ(宇宙船)の3人(?)組が、 伝説の海賊匋冥を追うシリーズ、六年ぶりの新刊だったらしい。

伝説の聖剣を奉じる宗教国家に、匋冥教なる異端宗教が興る。 この国の巫女の弟が匋冥教を信じて匋冥を追い行方不明になり、巫女は海賊課に助けを求める。 一方、神に祭り上げられることを許さない匋冥は匋冥教を滅ぼしにかかる。

まあ、いつもながらの敵は海賊である。ラジェンドラの述懐という形になっていて 1ページ目だけ横書きになってるのが妙に新鮮だった。。

敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)
神林長平
早川書房
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2013年4月14日日曜日

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか ナシーム・ニコラス・タレブ ISBN4478001227 ダイヤモンド社

「ブラック・スワン」と同じ著者の先行する著作。 こっちも面白いといえば面白いのだけど、 「ブラック・スワン」のほうが後から書かれているだけあって 議論が整理されているので、あとからこっちを読むことにはあまり 意味はなかったような。。ちょっと失敗。

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
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2013年4月9日火曜日

Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集 1

Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集 1 伊藤 計劃 ISBN4150310912 ハヤカワ文庫JA

夭逝したSF作家伊藤計劃がブログに書きためた映画評論をまとめたもの。 2巻構成の予定で、1巻は1998年から2000年。

とにかく、映画への愛にあふれている。この人映画好きだったんだなあ、と。 凡作や愚作には痛罵をあびせているのだけど、逆に見に行きたくなる。 ちなみにこの本で一番けなされてるのは、「ゴジラ2000ミレニアム」。 確かにどこをどう見てもひどい映画だったからな。。。

紹介されている約50本の中で私が見たことがあるのは、わずか12本。 もっと見ないとなあ。。しかし、わずか3年の間に50本もの語るべき映画が 存在するっていうのも、考えてみればすごいことだ。1本ごとにすごい コストがかかっているのにね。

Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集 1 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
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2013年4月8日月曜日

新装版 まぼろしの邪馬台国 

新装版 まぼろしの邪馬台国  宮崎 康平 ISBN4062761351, ISBN406276136X 講談社

1970年台の邪馬台国ブームを巻き起こした本を80年台に改定した新板をさらに文庫化したもの。 盲目の著者が妻の助けを借りて歴史の謎を解き明かす、ってことなのだろうけど、 読んでみるとなんというか、「トンデモ本」の匂いがプンプンする。 それは、議論の内容ではなく、そこここで、現在日本の風潮を嘆き、 学会の偏屈さを嘆き、同業者の剽窃を指弾し、 日本の将来を憂う、実にうざったい文章の構成から立ち上ってくるのだろう。

主張のポイントは、日本書紀、古事記に書かれた漢字にとらわれず音素だけを見て解釈すべきだ、 という点。それなりに説得力があるのかもしれないけど、結局最終的に比定した邪馬台国の場所が 著者の郷里である島原半島だというのでは、なんとも説得力に欠ける。。。

読んでみて、なぜあの頃邪馬台国のブームが起きたのかは、なんとなくわかった。 戦時中はイデオロギー的に議論が封殺されていたのが、重しが外れたということなのだろう。 近畿ではなく、九州に持っていったのも、戦時中の「正史」に対する反動なのだろう。

この本を読んで思い出したのは、清水義範の「序文」。 ある市井の学者が発表した奇天烈な書籍の、それぞれの版の序文だけを集めたものという趣向で、 著者は版を重ねるごとに傲慢になっていくが、死後すべての学説が否定されたことが明らかにされるというもの。 この人の学説がその後どのように検証されたのか知らないが、やっぱりもう少し謙虚に書いたほうが なにかといいんじゃないだろうか。

新装版 まぼろしの邪馬台国 第1部 白い杖の視点 (講談社文庫)
宮崎 康平
講談社
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2013年4月7日日曜日

SPACE BATTLESHIP ヤマト

SPACE BATTLESHIP ヤマト

出渕ヤマトがテレビ放映される記念ということで、 キムタクヤマトを見てみた。 これはまた、なんとも苦しい。

キャストは(主役はともかく)豪華。緒形直人の島、柳葉敏郎の真田さん、 山崎努の沖田艦長なんかはぴったりだ。 ストーリーは原作の1をベースに、最後に「さらば」を混ぜた感じ。 ガミラスに肉体がないという点を除けば、忠実な実写化だといえる。 キムタク古代があんまりといえばあんまりではあるが、 どんな役をやらせても「キムタク」にしかならないキムタクを 使った時点でこうなるのは目にみえていたわけなので仕方がない。

各要素ごとに検討すると、まあしかたがないかな、という感じなのに、 全体としてみると完全に失敗という感じがするのは、 映画としてだれに向けて作っているのかが非常に曖昧に なってしまったからではないだろうか。キムタクファンだけを相手に していれば、それはそれでよかったんだろうけど、古くからのヤマトファンを あまリ邪険にするわけにもいかず、どっちつかずになったと。

いや、それだけじゃないか。やっぱりベースラインの映画としての 作りがあまりにやっつけなのが敗因なのか。

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2013年4月2日火曜日

ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質 ナシーム・ニコラス・タレブ ISBN4478001251,ISBN4478008884 ダイヤモンド社

金融技術の基礎となっている統計は事象がガウシアン分布に従うと仮定しているが、 実際にはガウシアンとかけ離れたべき分布に従っているので、ガウシアンを仮定した 統計による予測は無力であるどころか有害である、と説く。 この本は、サブプライム危機の直前にでているのだけど、それを予言するかのような 事が書かれていてドキッとする。

著者の主張が正しいとすると、ここ何十年かのノーベル経済学賞は 全部砂上の楼閣に捧げられたようなものだということになるのだけど、 さて、どうなんだろうか。っていうか、そもそもなんでノーベル賞に 経済学賞があるんだっけ??

読んでいて大変面白いのだけど、もう少し精密に議論して欲しいという 点も何箇所か。と言っても精密に議論されてついていけるのかどうか、わかんないけど。。

結局、著者の主張をまとめてみると、ガウスで予測することができないものが大半だから リスクが計算できるなどとおごった考えを持つな、ってことなのだろうか。。 一回り回ってごくおとなしい警句になってしまっているのも、なんかおかしい。

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
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