作者は「日本人とユダヤ人」のイザヤ・ペンダサンこと山本七平。幕藩体制を正当化するための朱子学の奨励が尊皇攘夷を生み、ひいては現人神を生んだ課程を、江戸時代初期の思想化群の書物、さらにそれが参照する中国の原典を紐解いて論ずる。
漢文の書き下し文が多くて読むのに時間がかかって参ったが、大変に面白かった。 残念なことに、話が江戸時代前半で終わってしまい、倒幕にどうつながったのか、さらには現人神につながったのか というあたりがちょっと食い足りない感じ。江戸前期にまかれた種が育っただけだ、ということで、自明なので省略 なのかもしれないけど。