2012年12月30日日曜日

玉子ふわふわ

玉子ふわふわ 早川 茉莉 ISBN4480427988 ちくま文庫

古今の数あるエッセイから、玉子に関するエッセイを集めたもの。 良くもこんなに集めたものだ。しみじみと良い物が多いのはやはり 玉子という素材によるものなのだろうか。

驚愕のレシピがひとつ。八朔の果肉をほぐしたものに卵黄と砂糖を混ぜて食べる「ハッサク玉子」なるもの。 これってどんな味なんだろう???やってみたいようなやってみたくないような。

タイトルの「ふわふわ」というレシピもあるらしい。これは 出汁を薄く張って煮立てたところへとき卵を流し込んで蓋をして蒸すというもの。 汁物の卵とじの卵の部分だけ食べるみたいなものだろうか。ウマそう。

たっぷりのバターで作った半熟目玉焼きをご飯に乗せて食べる、という 卵焼き丼も美味そう。バターご飯と卵かけごはんのハイブリッドというか。

この本にはでてこないけど、中華料理の巨大な茶碗蒸しみたいなものもうまいんだよね。 あまり置いている店を見ないのはなぜなんだろうか。。

玉子ふわふわ (ちくま文庫)

筑摩書房
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2012年12月27日木曜日

乙女なげやり

乙女なげやり 三浦 しをん ISBN4101167575 新潮文庫

脱力エッセイ集。なんか、ナンシー関に通じるものを感じる。 哀川翔の評が傑作。哀川翔の出てくるVシネマを見たくなった。

ウェブマガジン『Boiled Eggs Online』に 週一で書いていたようで、妙にリアルタイムで面白い。 「白い巨塔」の話とか。 夜な夜な友人と深夜のドライブにでかける弟が面白い。

表紙は松苗あけみ。

乙女なげやり (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
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コワ~い保険の話

コワ~い保険の話 長尾 義弘 ISBN4796677186 宝島SUGOI文庫

保険は非常に複雑かつ高価な金融商品なのに、義理や人情で契約されている とても不思議な商品。わたしも就職した時に、昼休みごとに来襲する 保険のおばさんを遠ざけるために、一番いやじゃない感じの人の会社の保険(というか年金)に はいってしまった。。

この本は、保険のおばさんを信じてたら全部着服されてたとか、何度も契約が変更されて どんどん不利な条件になってたとか、被保険者が変わってたとか(!)、色々怖い話が。 そもそも保険のおばさんに悪意がなかったとしても、素人には難しすぎるような話なのに、 悪意を持って騙されたら対処のしようがない。。。

保険の難しさは、ちょっとぐらい勉強したり、説明を受けたぐらいでは到底 解決しない難しさだと思う。こんなもの素人が売り買いしていいのかね。 中立的なファイナンシャルプランナーとかっているのかな。。

コワ~い保険の話 (宝島SUGOI文庫)
長尾 義弘
宝島社
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2012年12月17日月曜日

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice) Dustin Boswell Trevor Foucher ISBN4873115655 オライリージャパン

プログラムをきれいに書こう、という話はよくあるが、「きれい」というのは基準になってるようで なってない。なので、ついついリファクタリングやりすぎて無駄に抽象クラス作ってみたり、 無駄にファクトリクラス作ってみたりしてしまうわけだ。 この本のポイントは、「きれいに」ではなくて第三者が「読みやすい」「理解しやすい」ように コードを書くべきだ、としているところ。ある意味あいまいだが、基準としてはわかりやすく、 プログラマの立場としてはわかりやすい。

変数名のつけかたから、コメントのかきかた、制御文の順番など、いちいち具体的でおもしろい。 ある意味、当たり前のことばかりなのだけど、自分でこれができているかというと 相当あやしい。。プログラムがひと通り書けるようになった人に、ぜひ読んでもらいたい一冊。

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Dustin Boswell Trevor Foucher
オライリージャパン
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2012年12月14日金曜日

デバッグの理論と実践 ―なぜプログラムはうまく動かないのか

デバッグの理論と実践 ―なぜプログラムはうまく動かないのか Andreas Zeller ISBN4873115930 オライリージャパン

未だに個人的な技芸の域を脱しきれていないプログラミングと言う過程の中でも特に 属人的な要素の強いデバッグという過程に対して、「科学的」な手法を適用すれば システマティックにデバッグできることを示している、かなり画期的な本。 個別のデバッガを使ってどうこうする、という話ではなく、 どのように仮説を立て、それを検証していくのか、という戦略の立て方を論じている。

著者のAndreas Zellerは、デバッグ関連の一流研究者なので、デバッグの研究が 今どこまで進んでいるのかを知るという意味でも役に立つ。 もともと大学(院)のテキストとして書かれたものなので、若干敷居は高いけど 特に前半の戦略を議論している部分はすべての実務プログラマにとって有益なはず。 全体的に若干やり過ぎ感はあるけど、今後進むべき方針を示しているということで。

圧巻なのは14章。gcc2.95.2 にあった特定の式の最適化で無限ループに陥るバグを 全自動でピンポイントに特定している。基本的にはgdbでスタックトレースをとって、 各段階でブレークポイントを設定してメモリグラフをgdbをつかってとりだして、 うまくいく場合と行かない場合のメモリグラフを比較するという手法なのだけど、 gccのような大規模なシステムでもちゃんと動くっていうのはインパクトある。

実はこの本、縁あって監訳させていただいたのだけど、 翻訳って本当に難しい。技術的な内容を100%理解した上で、 原文のニュアンスを尊重したうえで、日本語として自然な文章を 書かなければならないのだけど、そんなのほとんど無理だよなあ。。 せめて技術的にはミスがないように心がけたつもりだけど、 何かありましたらお知らせください。。

デバッグの理論と実践 ―なぜプログラムはうまく動かないのか
Andreas Zeller
オライリージャパン
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2012年12月12日水曜日

ヱヴァゲリヲン新劇場版:Q

ヱヴァゲリヲン新劇場版:Q

序も破もちゃんと見てないのだけど、Q見てきた。 なんかTVでやったという冒頭部分をYouTubeで見たらかなり面白そうだったので。 実際映像的には綺麗だし、それなりに精神的にも重いものを得たので、見た甲斐はあったのかな。

しかし、ストーリー的には、 なんか大変なことになってるですけど、これでいいんでしょうか。。。 シンジがなさけないのは、まあしょうがないとして、カヲルはもっとしっかりしてくれよ。 お前がそんな死に方してどうするんだよ。。

しかしなんとも救われない話だなあ。。。 3作目でここまで落ちておけば、最終作ではちょっとは盛り返すんだろうか。 すっごいハッピーエンドになってたりしたら、きっとそれはそれで不評なんだろうな。。

Shiro SAGISU Music from“EVANGELION 3.0
鷺巣詩郎
キングレコード (2012-11-28)
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2週間でできる! スクリプト言語の作り方

2週間でできる! スクリプト言語の作り方 千葉 滋 ISBN4774149748 技術評論社

Javaでスクリプト言語を作る本。 著者は、畏友 千葉さん。お忙しいのに本まで書いて頭がさがる。

体裁は割りに軽めだが、中身はすごい。 まずは普通にインタプリタで作り、 その後仮想コードコンパイラに仮想コードインタプリタを組み合わせ、 さらに型解析までして静的型付けしてJavaバイトコードへコンパイル、 と大変に盛りだくさん。

parser はParser Combinatorライブラリを自作しているし、 構文木のevaluation はお手製アスペクト言語のGluonJを使って Weavingでやってるし、とやりたい放題。 2週間でできるわけないだろ!という。

学生との対話が入る形式は「アスペクト指向入門」と同じ。 これで随分読みやすくなっていると思う。 機会があったらこの手法を私も使ってみたい。

ところどころに入っている漫画が無駄に本人に似ていて笑える。

よくもこれほどの内容を、このページ数に収めたものだ。 一点問題を指摘するとすれば、ソースコードにほとんどコメントがないこと。 コメントをいれるだけで随分読者層が広がるのではないか。

2週間でできる! スクリプト言語の作り方 (Software Design plus)
千葉 滋
技術評論社
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2012年12月9日日曜日

行くぞ!冷麺探険隊

行くぞ!冷麺探険隊 東海林 さだお ISBN4167177404 文春文庫

ショージ君による食べ物エッセイ。どうでもいいが、視点がユニークで文章が面白いので 暇つぶしに消費するには大変素晴らしい。

むかし、新聞に連載されている「アサッテ君」を読んで、どうしてこんなしょうもない 漫画を連載しているのか不思議だった。今になって、こんなに面白いことが書ける人でも、 毎日書くとなるとあのレベルになってしまうのか、と新聞連載の恐ろしさに思い至る。

行くぞ!冷麺探険隊 (文春文庫)
東海林 さだお
文藝春秋
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