兵庫県知事選挙の2馬力選挙で再び話題になった立花を継続的にウォッチしてきたちだい氏による本。 2021年に書かれており、この時点ですでに過去の話になりつつあったはずなのだが、残念ながらそうではなかった。。。 このあとも政治家女子48とかいろいろあったので、そのあたりも別の本にまとめてほしい。
しかし本当に純粋な害悪だな。はやく逮捕されてほしい。

とか見た映画とか
YouTubeでよく見かけるちょっと面白い筑波大学のロシア専門家、中村先生の2008年の本。 プーチンが2期の大統領を務めた後、メドヴェージェフを大統領に立てて首相になり、 ジョージア(当時はグルジア)に攻め込んで4日で停戦した時点のはなし。
タンデム型、というのは、メドヴェージェフとプーチンの2頭立て状態を意味する。 この時点では、2期大統領をやったらその後返り咲くことはできない、という前提なので、 比較的自由主義的な観点を持つメドヴェージェフとプーチンの関係がどうなるのか、という 観点で書かれている。実際には、プーチンは全く権力を手放さなかった上、 どさくさに紛れて憲法書き換えて大統領に返り咲いてしまうわけだが。。
しかし、14年前の時点ですでに明らかにヤバい、半分失敗国家みたいな状態になってる。 放置したのはまずかったなあ。後知恵では、ジョージアのときにもっとちゃんと制裁しておけば 勘違いしなかったのかもしれない。
ジャレド・ダイアモンドの「銃・鉄・病原菌」は、文明の繁栄はその土地で得られる自然資源に大きく左右される、という主張だったが、本書はそれとは逆に、長期的な繁栄には収奪的な政治制度ではなく包括的な政治制度が必要であると、多彩な例をあげて説く。 中国の収奪的な政治制度下での繁栄は長期的には持続可能ではない、ということになるが、さて今後どうなるのか。。 日本の官僚組織による企業の支配も結構収奪的になってきているけど、これもかなり不安である。
トランプが大統領選の泡沫候補だった時期から、いわゆるRustbeltに通って、現地の人々の声を拾ったルポ。 なぜトランプが勝ったのかはなんとなく理解できた気がする。 日本も相当やばい状態になっているような気がして、一部のいわゆるネトウヨと重なる部分もある。 でも、それなら山本太郎支持になりそうなのに、なぜ安倍支持なのか、そちらの方はまったくわからないのだが。 サンダースじゃなくてトランプだったのはマッチョだったからだろうけど、そういうことなのかな。
さまざまな観点から、AI(というかビッグデータ利活用だが)の法的な側面を検討した労作。
序章 AIと憲法問題 第1章 AIと個人の尊重、プライバシー 第2章 AIと自己決定原理 第3章 AIと経済秩序 第4章 AIと人格 第5章 AIと教育制度 第6章 AIと民主主義 第7章 AIと選挙制度 第8章 AIと裁判 第9章 AIと刑事法いずれの章も現行法に基づいて精緻に議論されていて、われわれ素人が思いつくようなことはだいたい法的に整理できている ことがわかって安心した。 しかし、このような議論が政策に全く反映されていないように見えるのは一体どういうわけなのだろう。。。
作者は日本に長く在住している元海兵隊のドイツ系アメリカ人。 主張の内容は、アメリカはポリコレやグローバル化をを推し進める「ディープステート」と呼ばれる 特権階級に牛耳られているが、虐げられた低収入白人層には退役軍人も多く民兵を組織しており、 そのうち10万もの民兵が蜂起してアメリカは崩壊するだろう、というもの。 著者は基本的にトランプを支持しており、トランプになったことで崩壊はやや遅れたが、 それでもそのうち崩壊するだろう、とのこと。
行き過ぎたポリコレや、アファーマティブ・アクションは弊害が大きいのは理解できるが、 移民は独自の文化を捨てて単一文化になるべき、というような主張にはいくらなんでも無理があるだろう。
情報は基本インターネットで集めているだけのようなので、なんというか、お察しではある。
「民意」がPR会社を通じて人為的に作られていると説く。 東京オリンピックなんて、全くまともな議論もなく誘致が決まってびっくりだったもんな。。
第2次世界大戦における日本軍の意思決定課程をひもとき、 「失敗」の理由をさぐる。評判に違わず、面白く、絶望的な気分になる本だった。
取り上げられているのは、戦略的なレベルではなく戦術的なレベル。そもそも戦略的に大失敗だった わけだが、そこから取り上げると話がすすまないからか。1章で6つの作戦について論述し、 2章3章で総合的に議論するという構成。6つの作戦は、ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、 インパール、レイテ海戦、沖縄戦。
中身に関してはすでにあちこちで議論されているのを読んでいるのでそれほど あらためて新しい知見はないが、指摘されている問題点が今も大企業や 霞が関の上の方でそのまま残っているようで絶望的な気分になる。
イスラム国に関するまとまった本。イスラム国と、従来のいわゆる武装組織の相違を議論している。 解説を池上彰が書いている。
彼らの目的は、イスラム版イスラエルの建国だ、と言うのは得心が行く。 しかし、カリフをいただき国土を持ついわゆる国家になってくれるのであれば、 他の国としては戦いやすいのではないか、という気もする。
2004年の本。イラク人質事件で「自己責任」論が噴出したころ。 あれから11年経ち、特に今年一年で、随分遠くまで来てしまったような気がする。 今後世界は、日本はどうなっていくんだろうか。
古くからあると思われている「伝統的」なものが、実は比較的近代に意図的に形成されたものであることを 論証した論文集。 たとえば、スコットランドといえば、バグパイプとキルトだが、実はスコットランドはアイルランド文化圏で このような「伝統」は19世紀になって、商業的な理由で創りだされたのだそうだ。
この他に、ウェールズの伝統行事、英王室の儀礼、ビクトリア朝時代のインド、植民地下アフリカ、 19世紀末から20世紀初頭におけるヨーロッパが俎上に挙げられている。
うまくやると簡単に「伝統」を作ることができるのは、 「江戸しぐさ」や「恵方巻き」からも明らか。 「大喪の礼」だってどこまで伝統的なのやら。。江戸期にできていたとは とても思えないし。。
戦闘可能な若年成人男子の層が拡大した状態をユース・バルジといい、このユース・バルジが 移住や侵略、クーデターによる内戦の主たる原因であると説く。 ここで重要なのは単に過大な人口によってこれらの自体が発生するのではなく、 社会的なポストの不足によって引き起こされるという点。 したがって、人口密度という意味ではそれほど高くない状況でも起こるし、 主体は食い詰めた貧民ではなく、十分な教養を受けたが惣領にはなれない次男坊、三男坊である。 大航海時代のヨーロッパの急拡大も、ペスト禍から回復するために、それまで暗黙裡に行われていた 産児制限を禁止したためである、と。
つまり、今起こっているイスラムとの衝突は、イデオロギー的である以前に、 人口構造の問題である。しかも、この先10年ぐらいは絶対に解決しないということか。 なんてこった。
10年まえ、当時の現役経済産業官僚が書いた本。 日露戦争からノモンハン事件までの30年に日本の政治が急速に劣化していった原因を考察した本。 元勲の退場によってジェネラリストがいなくなり、さらに組織が硬直化したことがその本質とのこと。 しかし、ジェネラリストってどうやって教育したらいいんだ? 優秀な若手官僚を省庁間でぐるぐる回したり、一般企業に2,3年送り込んだりすればいいのかしら?
著者は現在比例区の自民党衆院議員。ご活躍願いたいものだ。
著者は代ゼミで「公民」を教えている講師。世界一わかりやすいというが、本当にわかりやすくてびっくりした。 さすがの手だれである。 賛成論、反対論を整理して提示してくれる。
TPPがどうこう、というよりも日本政府における意思決定の過程にページが割かれているのが特徴。 どうころぶにしろ一筋縄ではいかないということがよくわかった。
2006年に発行されたノビーこと池田信夫の本。 さすがに専門分野の話だけあって、理屈も綺麗に通っていて素晴らしい。 他の分野の言説はいろいろ問題ありそうだけど。
電波帯域の割りつけ直しにかかるコストを全く無視した議論になっているのが気になる。 技術的にも実務的にもすごく大変なはずなのにね。
朝日新聞の連載記事をまとめたもの。 バイアスは多々かかってはいるのだろうけど、 いくら割り引いて読んでも衝撃的だ。
正直言って、地震と津波で電源喪失してしまったのは、 しょうがないといえばしょうがない。問題はその後の対応。 とても最善だったとは思えない。専門知識がなく、責任を持った応答ができないような人間が 保安院のトップだったりとか、なんでそんなことが起こりうるのか。
人類は原発をうまく運用することが出来るのかもしれない。 でも今の日本政府と東電には無理、ってことか。