1999/12/30 「帝都物語 10 復活篇」荒俣宏 一応完結。実は加藤が将門だったのかー。しかしなんだか結局 全然わからなかった。総じて言うと、想像していたよりも、 ずっと壮大で、楽しめたかな。あやしいアイテム群は作者の 博識ぶりを反映して、どれも面白かったし。 1999/12/27 「帝都物語 9 喪神篇」荒俣宏 昭和73年(1998年)になっている。 コンピュータで籠目を作って式神を惑わすというのはいいなー。 登場するコンピュータは性能がいいのか悪いのか良くわからん。 1999/12/24 「帝都物語 8 未来宮篇」荒俣宏 時代はめぐって舞台は昭和70年!昭和天皇異様に長生き。 角川春樹が破滅教教祖で登場。 1999/12/20 「帝都物語 7 百鬼夜行篇」荒俣宏 半分三島由紀夫が主人公。いいのか? 安保闘争も加藤の仕掛けだったとは。 1999/12/18 「本朝無双格闘家列伝」夢枕獏 日本における、格闘技(相撲)の歴史を例の調子でアツく語る。 相撲の初の記録とされる日本書紀の当麻蹴速と野見宿禰の 戦いの記述のなかの「頓に争力せむ(ひたぶるにちからくらべせむ)」 というフレーズは作者のお気に入りらしいが、たしかに インパクトのある熱いフレーズである。 1999/12/14 「帝都物語 6 不死鳥篇」荒俣宏 いきなり戦後になって、加藤復活。 辰宮兄弟は幸せになったのだろうか。 1999/12/11 「帝都物語 5 魔王篇」荒俣宏 2.26事件篇。北一輝登場。霊能者だったとは知らなかった。 加藤がやる気をなくして出てこない。変な奴。 4巻での加藤の作戦は失敗したらしいが、なんでだろう。 1999/12/9 「帝都物語 4 龍動篇」荒俣宏 日本初のロボット、学天則がでてくる。 挿絵の北斗七星と北極星の位置関係は変だと思うぞ。 1999/12/7 「帝都物語 3 大震災篇」荒俣宏 「秘曲 御宿かわせみ18」平岩弓枝 東吾に隠し子が! 1999/12/6 「全国アホ・バカ分布考」松本修 新潮文庫 「探偵!ナイトスクープ」をきっかけに「アホ」「バカ」などの 罵倒語が全国にどのように分布しているかを調べ、その分布、語源を 探求したドキュメンタリー。京都を中心にして流行り言葉が 波紋のように広がっていく、という方言周圏論や、 バカの語源が白楽天の詩にでてくる馬家からであるとか、 アホが中国語の阿呆から来ているのではないか、などなど、 非常に興味深い。読み物としても知の喜びをよく伝えて秀逸。 1999/12/5 「物語が、始まる」川上弘美 中公文庫 "雛形"を拾って一緒に暮す表題作「物語が、始まる」他、 「トカゲ」「婆」「墓を探す」を収めた短編集。 「物語が、始まる」が良い。 1999/12/1 「雨月 御宿かわせみ17」平岩弓枝 「八丁堀の湯屋 御宿かわせみ16」平岩弓枝 1999/11/29 「蛇を踏む」川上弘美 芥川賞受賞作の表題作と、「消える」「惜夜記」からなる短編集。 夢の中のように幻想的で脈絡がなくそれでいて妙にリアリティがある。 著者は「うそばなし」とよんでいるそうだが、なかなか似合いの言葉かも。 1999/11/29 「玩具修理者」小林泰三 第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作である表題作と、小長編「酔歩する男」 が収められた短編集。クトゥルーの単語が意味もなくひらがなででてきて 不気味。表題作のオチは宮部みゆきの短編を思い出させる。 表題作は純然たるホラーだけど、「酔歩する」のほうはパラレルワールド 系のSFに分類することも可能だろう。脳の一部を器質的に破壊することで、 時間軸をトレースできなくする、という話はイーガンの「宇宙消失」の ナノテクモジュールを脳に埋め込むことによってパラレルワールドを選択する、 というアイディアと非常に似ているといえるだろう。 1999/11/29 「帝都物語 2 魔都篇」荒俣宏 関東大震災が竜脈のせいだったとはしらなかった。 1999/11/26 「恋文心中 御宿かわせみ15」平岩弓枝 ようやくるいと東吾が祝言。が、かわせみに半分住み込むような 中途半端なかたち。いいのか。 1999/11/26 「帝都物語 1 神霊篇」荒俣宏 むかーし映画化された明治時代末期が舞台の伝奇SF。映画の方は 嶋田久作の加藤少尉(バスタードのアビゲイルやスト2のベガのモデル)が有名 だが、まだ見てない。そのうちビデオ屋で借りて見てみよう。 なんと11巻もあるものを古本屋で1冊100円で購入。 幸田露伴、寺田寅彦、森鴎外、渋沢栄一などが実名で登場。 まだまだ遺族がいくらでも残ってるだろうに大丈夫なんだろうか。 話は始まったばかりなのでよくわからん。 1999/11/25 「神かくし 御宿かわせみ14」平岩弓枝 東吾とるいに祝言話が。しかし、結婚して東吾が兄の跡を継いだら かわせみがなくなってしまうのではないのか? 1999/11/21 「ファイナルジェンダー ─神々の翼に乗って─」ジェイムズ・アラン・ガードナー 成人するまで1年ごとに男女の性別が入れ替わりながら成長し、 成人になると同時に自分の性を最終決定する、という世界で、 主人公の最終決定の一日に生じた事件を描く。 設定もその仕掛けもなかなか面白い。 キャラクタも(キャラクタ自体の好みはともかく)よく描き込まれている。 小説のジャンルとしては、ジュブナイルに分類するのが妥当かも。 1999/11/14 「ノッティングヒル」 ハリウッド女優とロンドンの本屋のロマンス。ラストの記者会見といい 「ローマの休日」を意識してるのだろうけど、ハッピーエンドじゃなぁ。 ジュリア・ロバーツ、ちょっとオードリーに似ていてとってもきれい。 「Wild Wild West」 主演がWill Smithであるというのとタイトルから創造される通りの 作品。怪しいメカを使うマッドサイエンティストから大統領を守る、 という。なんだかなー。 スチームパンク、というのとは、ちょっと違うような。 「Lake Placid」 ワニ映画。ジョーズのサメをワニにしただけ、って感じ。 ただワニは陸の上に上がってくるからなー。 1999/11/13 「百器徒然袋 雨」京極夏彦 京極堂系の短編集。事件が軽いので、中禅寺のでる幕はあまりなく、 榎木津が活躍する短編が3つ。読後感が軽くて京極っぽくないが、 まあ、こういうのも悪くないか。 狂言回しの主役に本島という電気配線工を据えているが、 彼の名前が最後の最後まででてこないのはなんでだろう。 陰摩羅鬼に出てくる人なのだろうか。そういえば塗仏以降の 事件についてもいくつか言及されているが、これも陰摩羅鬼 関係なのだろうか。 1999/11/12 「鬼の面 御宿かわせみ13」平岩弓枝 七重結婚。次々に先を越される東吾。いいのか? 7で好敵手になるか?と匂わされた奴がようやく再登場。 が、あっさり捕縛。なんだつまらん。 1999/11/11 「夜鴉おきん 御宿かわせみ12」平岩弓枝 源さんに子供ができている。 1999/11/6 「二十六夜待の殺人 御宿かわせみ11」平岩弓枝 「順列都市」グレッグ・イーガン 「宇宙消失」の作者のバーチャルリアリティ系ハードSF。 一筋縄ではいかない、階層化されたバーチャル関係で頭が混乱する。 実在のスーパーコンピュータクラスタ上で怪しい自己増殖する セルオートマトンを実行して、さらにその上で原子の数と相互作用を 限定した世界を原子レベルでシミュレートして、という。 さらに無矛盾に外界の系をモデル化することが外界に影響を与える、 とか、塵理論とか、シミュレートする系を「発進」させる、とか あやしい理屈てんこ盛り。すばらしや。今後も期待大。 1999/11/1 「閻魔まいり 御宿かわせみ10」平岩弓枝 畝源三郎が先に結婚してしまってびっくり。 1999/10/27 「一両二分の女 御宿かわせみ9」平岩弓枝 1999/10/25 「トンデモ超常現象99の真相」と学会 結構前に出たのだが、なぜか買ってなかったので。 この本は、ほかのシリーズとスタンスがちがって今一つ面白味がない。 特に山本弘の書き口には抵抗を感じる。 洋物系については、ほとんど「奇妙な論理」と重複しているし、 つっこみも浅い感じ。和物に関してはおもしろかったかな。 1999/10/21 「図解 豊かさの栄養学」丸元淑生 なかなかためになる。なぜ、ビタミンが必要なのか、とか、 なぜ豆類がよいのか、など。しかし穀類の半分も豆をとるのは 大変だよなー。動物性の脂肪は血液の中でやっぱり固化する というのはこわいなー。とはいえ霜降は好きだ。 1999/10/18 「バベル-17」サミュエル・R・ディレイニー 大昔に古本で買って読んでなかった。謎の言語「バベル-17」を めぐるスペオペ。言語が思考を規定するという観点から、武器として 設計された人工言語がでてくる。このアイディアは非常に斬新と いえましょう。たしか「神狩り」の書評でも紹介されていた。 主人公の女言語学者や、その主治医が魅力的。 そういえば、山本貴嗣?の「エルフ17」のタイトルは これから来てるのかな? 1999/10/15 「巷説百物語」京極夏彦 連作の短編集。京極にしては、あっさりしていて読後感が軽い。 WOWWOWでやるからなのかな。なんか必殺仕置人みたいな話。 ちょっとワンパターンなのが気になる。最後の「帷子辻」が 比較的重くていいかな。表紙の裏がこわい。 「白萩屋敷の月 御宿かわせみ8」平岩弓枝 6から一転、今度は事件が起こらない話がいくつも含まれていて、 捕物という感じではない。表題作がなかなか。 1999/10/12 「一人で歩いていった猫」大原まり子 大昔にでたデビュー短編集。全部同じ世界観の連作。なかなかいいかも。 へんな異星人や銀河帝国みたいなものがでてくるあたり 古典的なスペオペでたのしい。「ねこ」という遺伝子改造された 怪しい生き物が魅力的。 1999/10/10 「酸漿は殺しの口笛 御宿かわせみ7」平岩弓枝 なんか結構人が死ぬ。死にすぎ。しかも宿敵になりそうな人 とか出てくるし。うーむ。 1999/10/9 「狐の嫁入り 御宿かわせみ6」平岩弓枝 1999/10/4 「仮想空間計画」ジェイムズ・P・ホーガン 最近ハードSFに戻ってきてくれてうれしいホーガン。とはいえ原作は 実は1995年だったりするのだが。最近はVRものばかりだが、 これもVRもの。政治的な話がまだでてくるあたりちょとあれだが なかなか面白かった。ミンスキーが実名で出て来たり。 仮想空間に閉じ込められる、ってのは「Matrix」に通じる。 原題「Realtime Inturrupt」。この原題、読み終わってみると すごく適切で「ニヤリ」って感じなのだが、日本語で 「実時間割り込み」にするわけにはいかなかったんだろうなー。 1999/9/30 「幽霊殺し 御宿かわせみ5」平岩弓枝 1999/9/29 「鳥葬の山」夢枕漠 短編集。表題作はそれなりにインパクト。 全体には夢枕漠にしてはいまいちかな。 1999/9/28 「水に眠る」北村薫 短編集。「植物採集」が哀しくていい。 1999/9/25 「宇宙消失」グレッグ・イーガン ナノテクと量子論がらみのハード?SF。 ナノテクのあたりはサイバーパンクをほうふつとさせるが、 サイバーパンクとの違いは、サイバーパンクがテクノロジの 存在を自明のものとして考え、その意味を作中人物を問うことが無い ことを特徴するのに対して、この作品ではその意味を問うことにこそ 焦点がある。量子論によるパラレルワールドネタは、それ自身は 珍しくないが、ここまで徹底しているのは珍しい。 太陽系をくるむよう球状の特異点、「バブル」も面白い。 1999/9/22 「グローリーシーズン」デイヴィット・ブリン 傑作「プラクティスエフェクト」の作者のSF。 女性の単性生殖によるクローンで構成される社会を人為的に 発展させた植民星を舞台にして、クローンではない変異子の 主人公の冒険を描く。 舞台設定のクローンを基調にした社会が、遺伝的な安定性を 含めてきちんと考察されていて興味深い。SFには、いろいろな異世界の 設定があるが、こういう微妙で繊細な違いによる社会的な影響まで 描いたのはなかなかないのではないだろうか。 また、いわゆるライフゲーム(セルラオートマトン)が、 作中にゲームとして登場し、重要な役割を果たしているのもおもしろい。 小説としても、主人公の成長がここちよく描けている。 1999/9/3 「六の宮の姫君」北村薫 <私>シリーズ4作目。 芥川龍之介の表題作が書かれた経緯のなぞをめぐる「書誌学ミステリー」。 菊池寛と芥川龍之介の2人の交友等、興味深い。 しかし<私>シリーズとしては、いまいちかなー。ちょっと毛色が違う。 <私>の街の名物は煎餅だというが、じゃあ草加なのか?うーむ。 1999/9/2 「クジラは昔陸を歩いていた」大隅清治 クジラに関する博物学?みたいな本。 面白かったのは、ヒゲクジラといっても大別して2種類いて ナガスクジラのように、口に含んだ水からえさを濾しとるのではなく、 セミクジラのように泳ぎながらえさを濾し取れるものがいるというところかな。 1999/8/31 「神狩り」山田正紀 「機神兵団」とか架空戦記もので有名な山田正紀のデビュー作。 さすがに若いというかなんというか。怒れる若者って感じ。 作者の若さだけじゃなくて、日本のSFそのものの若さを感じさせる。 そう思ってしまうあたりちょっと悲しいものがあるが。 神は、論理レベルが違う存在だ、とかいっておきながら、 神が楽しんでたりするのがわかったりして、ちょっとあれやね。 1999/8/28 「『救い』の正体。」別冊宝島461 カルトに関するムック本。エホバが恐いなー。 顕正会、親鸞会はしらんかったなー。大学時代よく名前を聞いた 恒河沙が親鸞会だったというのはおどろき。 同じ別冊宝島の「洗脳されたい!」のほうが迫力あるかな。 タイトルに句点が入っているのは「モーニング娘。」の影響だろうか。 1999/8/20 「結婚って、なに? 13回目のお見合い」海老根祐子 ワーキングウーマンが、お見合いでなぜ結婚できないのか、 というはなし。しかし、お見合いに出てくる男はここまでひどいか? そして、お見合いおばさんはそこまで理不尽か? さすがにそんなことはないと思うのだが。 1999/8/19 「百鬼夜行 陰」京極夏彦 京極堂シリーズの登場人物(といっても最後の関口を除いてはホントに 脇役なのだが)を主人公にした、外伝的な短編集。 相変わらずうまい。畳み掛けるような書き口は独特。 本シリーズのほうを忘れつつあるので、もう一度読み直さねば。 1999/8/17 「果てしなき流れの果てに」小松左京 30年以上前に書かれた長編SF。「カエアンの聖衣」同様、 ワイドスクリーンバロックというジャンルらしい。 10億年にわたるタイムスパンと、タイムパトロールやら超意識やらの 大掛かりなガジェットがたのしいが、結局よくわからんのだな。 わかりやすい落ちに堕しなかったという点では評価できるが。 2つのエピローグが救いになっているか。 「トップをねらえ」の6話のタイトルは、たぶんこれから 来てるんだろう。 「震える岩 霊験お初捕り物控え」宮部みゆき 霊感を持つ少女お初が、その能力を使って怪事件を解決する という捕物帳もの。実在する「耳袋」という書物にでてくる 怪事件をもとに膨らませている。 例によってとても優しく、面白いが、短編のほうが切れがあって 好きかな。続編に期待。 1999/8/10 「スキズマトリクス」ブルース・スターリング サイバーパンクの代表作の一つ。10年以上前に買っていたのだが どうも読んでいなかったようだ。 舞台はコロニーに人類が進出し、さまざまな形で変革していく グループがモザイクのように世界を構成しているという時代。 主人公リンジーが150年近くに渡って、モザイク国家を わたり歩く。うーん、なんと評価していいのやら。 あのころサイバーパンクはあわない、ということで読むのを やめてしまったのは正しかったのかもしれない。 1999/7/28 「トルコで私も考えた1, 2」 「ヤングYou」連載のエッセイ漫画。 旅行者としてトルコにいった筆者が、向こうで結婚して定住し、 子供までできてしまうという。トルコに行ってみたくなるなー。 現在も連載中らしい。 1999/7/26 「バサラ 18-26」田村由美 ようやく読了。あまり人が死なないのが印象的。 主なキャラで死んだのは太郎ちゃんと揚羽だけじゃないだろうか。 なかなかキャラクタが魅力的で面白かった。熊野の2人がお気に入り。 1999/7/21 「秋の花」北村薫 「私」シリーズ3。初の長編。そして初めて人が死ぬ。 とても悲しく暖かい。非常にすばらしい。 すみずみまで心の行き届いた傑作といえましょう。 関係ないが、どうも「私」は東武線沿線(多分春日部)住民らしい。 1999/7/18 「さむけ」 ホラーアンソロジー。夢枕獏と京極夏彦が書いているので買ってしまった。 が、いまいちだなー。ジャンルが私に合わないのかもしれない。 山田宗樹の「かまきりの気持ち」につくばの研究者がでてくる。 荒川沖の駅とか、大通り沿いの炭火の焼肉屋と言うのは やはりあそこのことだろうか。 1999/7/14 「夜の蝉」北村薫 「空飛ぶ馬」の続編短編集。短編といっても一冊に3作しか入っていない ので中編に近いかも。空飛ぶ馬は5つ入っていた。次の「秋の花」は 長編らしい。すこしずつ大人になっていく「私」がよい。 ミステリーとしてもよいのかもしれないけど、小説としてとても心地よい。 1999/7/13 「空飛ぶ馬」北村薫 女子大生「私」の1人称で書かれた、ミステリー? 「私」が日常の中で出会う不思議な出来事を名探偵にして噺家の円紫が さらりと解いてみせる、という。軽いといえば軽いのだがうわついた ところのない、好感のもてる書き口である。 話の中にいろいろな書物・落語が出てくるのだが、浅学なのでまったく ついていけない。落語は得意分野なのに半分ぐらいしか知らないし。勉強せねば。 主人公が実に魅力的なので、作者が実は中年男性というのが 若干興ざめ(?)だが、まあ、そんなもんだろう。 シリーズで4まであるらしいので、楽しみだ。 1999/7/7 「山茶花は見た 御宿かわせみ4」平岩弓枝 1999/7/2 「圓生古典落語 1-5」三遊亭圓生 実家の本で、高校のころ読んだものを再読。 本編もさる事ながら、くすぐりが実に丁寧で、さりげなく 背景知識を説明しているあたり、すばらしい。 見てみたいものだ。特に2の「子別れ 下」がすばらしい。 1999/6/30 「水郷から来た女 御宿かわせみ3」平岩弓枝 1999/6/27 「江戸の子守唄 御宿かわせみ2」平岩弓枝 1巻よりも捕物帳的性質が強まっているかもしれない。 1999/6/24 「御宿かわせみ」平岩弓枝 沢口靖子主演でTVドラマにもなった短編集の第一巻。 柔らかい感じで、どこか宮部みゆきを彷彿とさせる。 女性作家ならでは、ということなのかな。 14巻ぐらいまで出てるみたいだけどるいと東吾さんの中途半端な 関係はどこかで決着ついてるんだろうか。 1999/6/17 「もののけづくし」別役実 あやしい情造本。同じシリーズで「むしづくし」とかがあった ような気がする。 1999/6/16 「戦闘妖精・雪風」神林長平 15年前の作品。続編「グッドラック」が発売されたので再読。 いや、やっぱこれは傑作だわ。なにがいいのかなー。 自分の信じるものから阻害される予感がいいのだろうか。 よくわからん。つぎは「グッドラック」だ! 1999/6/16 「バサラ 1-17」田村由美 アニメ化もされたという少女漫画。 300年後の荒廃した独裁制をしかれた日本を舞台に、 運命の子タタラ(に扮した妹)が活躍する冒険活劇。 キャラがそれぞれ立っていてなかなかよい。26巻まであるそうだから それをよまんとよくわからんが。 「七夕の国 1-4」岩明均 「寄生獣」の作者による漫画。結局何が何だったのか わからないまま、それでも余韻をのこしてきれいに終わっている。 なかなか好きだったな。 「柔道部物語1-7」小林まこと スポ根漫画の最高峰かもしれない。ライバルに悪役としか思えない キャラクタ西野が出てくるのだが、三五がその「悪」の部分 を全然気にていないってあたりが好き。 1999/6/1 「クローム襲撃」ウィリアム・ギブソン サイバーパンク中のサイバーパンク。短編集。10年以上前に 読んだが再読。登場するテクノロジに目を奪われがちだが、 内容的にはけっこう文学的なのかもしれない。 「ガーンズバック連続体」にこないだ見てきたフーバーダムの像が出てる。 1999/5/30 「キリンヤガ」マイク・レズニック 植民惑星にアフリカ、ケニアのキクユ族の伝統を守った 「ユートピア」を築く試みが成功し失敗する話。 文化とは、幸福とはなんなのか。 非常に面白い。おすすめ。でもこれSFなのだろうか? 1999/5/27 「ナースをねらえ!」小林光恵 おたんこナースの原作者による実話エッセイ集? おもしろいけど、一つ一つが短すぎてくい足りない。 1999/5/26 「異形コレクション4 悪魔の発明」 日本人作家による短編集。 レベルはそこそこ。ひまつぶしにはいい、というレベルか。 1999/5/24 「SFバカ本ダルマ篇」 日本作家による短編集。 意味不明なものもいくつかあった。 1999/5/11 「造物主の選択」ジェイムズ・P・ホーガン タイタンでの機械生命の進化を描いた「造物主の掟」の続編。 今度はメモリ内に保存されていた機械生命の生みの親であるところの 種族がコンピュータ上に復活、手品師である主人公と対決! 「内なる宇宙」でもそうだったけどホーガンはちょっとコンピュータ 上の知性についてプリミティブだよなー。あとオチがちょっと 拍子抜けで残念。「宇宙戦争」みたいだ。でも、ハードで オプティミスティックなホーガンでうれしい。 1999/4/25 「霊と肉」山折哲雄 変身の空間、諸相、地獄の3節からなる論考集。 変身の空間、では魔と仮面が面白い。 地獄、では各民族での地獄感を紹介している。 いつものことだが、この手の論考集は散漫で結局なにがいいたいのか わからないんだよなー。テーマは面白いので もっとまとまった本が読みたい。 1999/4/18 「女王天使」グレッグ・ベア 「凍月」「火星転移」と同じ世界のナノテクSF。 人格の調整とか、外見の調整とか、潜脳とか。 4つの物語が独立して進行していて、実はそれぞれが絡み合っている、 という構造なのだが、Voodooを下敷きにした隠喩が多くて 良く理解できなかった。今度調べてみなければ。 舞台がLAでサンディエゴ、ラホーヤ、デルマーなんて地名がでてくるのが、 ちょっとうれしいかも。 1999/3/20 「天使論序説」稲垣良典 天使という神と人間の中間の存在と対比することによって 人間の有りかたとどうあるべきかを議論した本、なんだろうけど わからん。これはわからん。やはり宗教は奥が深すぎるわ。 1999/2/19 「宗教学入門」脇本平也 最近良く読む講談社学術文庫。「宗教学」というものを、 その歴史から説き起こした入門書。元がラジオ番組の講話 だったせいか、非常に平易で分かりやすく、宗教と言うものに 対するスタンスも好感が持てる。 1999/2/15 「トンデモ本 1999」と学会 トンデモ本シリーズなのだろうか。出版社が洋泉社から光文社に 代ってる。相変わらずの内容だが、なんか最近はなにつく。 こういう本のスタンスは難しい。 1999/2/14 「瞬きもせず」紡木たく むかーしの少女まんが。なかなかセンチメンタルでよい。 1999/2/3 「道教百話」窪 徳忠 道教に伝わる挿話を集めて示すことにより、道教の輪郭を示した本。 わたしは老荘思想の道家と民俗的発生宗教である道教の区別が ついていなかったが、まるで違うということが判明。 以前シンガポールで怪しい神だなを見て、これはなんだと聞いたら Taoism だと答えられたことがあって、意外に思ったことがあったが ああいうのこそが道教なのだなー。 1999/1/28 「かまいたち」宮部みゆき 江戸時代物短編集。やはりなかなかよいのだが、初期の作品だけに 他作品より多少落ちる感は否めないか。 後半の2作は「霊験お初捕物控」シリーズの原典にあたるものらしい。 1999/1/25 「日本宗教事典」村上重良 すばらしい。わずか1100円で2週間以上楽しめるとは。 文庫本なのに二段ぐみ、しかも字が小さい。異常に内容が濃い。 読んでみて思うのは、日本の宗教はやっぱりいい加減だということ。 あらゆる組合わせで習合するし、成立したあとでいくらでも変化するし。 オリジナルが1980年代の本なので最近の新興宗教が入っていないのが 悲しい。「妖星伝」に出てきた日蓮宗不受不施派とか、 「狂骨の夢」の神道立川流とか、あやしい宗教がちゃんと載っていて うれしい。次は「世界宗教事典」か? 1999/1/10 「火星転移」グレッグ・ベア 「凍月」「女王天使(未読)」とおなじバックグラウンドの一人称SF。 ハードSFといってもいいと思うが、「凍月」と同じでジュブナイル 的な側面がある。なかなか、というか非常に面白かった。 独立もの(?)という意味では「月は無慈悲な夜の女王」と似てるか? ナノマシンとかセラピーとか思考体とか進化子とかツイーカーとか いろいろガジェットが出てくる。特にツイーカーは、「創世記機械」 のあれとならぶ最強の必殺技じゃないだろうか。火星を実際に飛ばして しまうといのは数多いSFのなかでもそうとうな荒業といえるだろう。 エンハンスメント(それぞれのジャンルに特化した思考力/知識の強化) がうらやましい。こんなのあればいいよな。 1999/1/1 「本所深川ふしぎ草紙」宮部みゆき 深川七不思議を題材にした時代物短編集。いつもながらすばらしい。 「初ものがたり」の茂七がでてくる。でも「幻色江戸ごよみ」のほうが 完成度高いか。
1999
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