2017年5月26日金曜日

その日本語、伝わっていますか?

その日本語、伝わっていますか? 池上 彰 ISBN4062814161 講談社+α文庫

変化していく言語を、気持ち悪いと感じつつも許容しようという 誠実な立場。当然の態度なのだけど、なかなかねえ。。

その日本語、伝わっていますか? (講談社+α文庫)
池上 彰
講談社
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Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎 Andreas C. Muller, Sarah Guido ISBN4873117984 オライリージャパン

Pythonの機械学習ライブラリ scikit-learn を使って、さまざまな機械学習アルゴリズムの使い方を学ぶ。 特徴的なのは、アルゴリズムの詳細には立ち入らず、使い方に重点を置いていること。 とはいっても、ライブラリの使い方だけ説明しているということではなく、 どういうケースにどのアルゴリズムが適しているかを、実例を交えて詳細に論じている。

モデルの複雑さと過剰適合の関係など、機械学習において基本的な概念もわかりやすく 説明している。 特徴量の作り方や、パラメータ調整の実際に関しても詳しく述べられている。 特に、特殊な扱いが必要なテキスト処理の基礎も示されている。日本語に適用するには、形態素解析 など一手間かかるが、これ一冊でゆるい卒論ぐらいまではカバーできそう。 scikit-learnも国内ではまだあまり流行っている感じではないが、すごく良くできているので、 今後普及するのではないだろうか。

縁あって、翻訳させていただいた。Pythonで機械学習という本はたくさんあるけど、 その中でもなかなかの良書かと。よろしければぜひ。

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Andreas C. Muller Sarah Guido
オライリージャパン
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ワークシェアリング―『オランダ・ウェイ』に学ぶ日本型雇用革命

ワークシェアリング―『オランダ・ウェイ』に学ぶ日本型雇用革命 根本 孝 ISBN4828409688 ビジネス社

オランダでの働き方を参考に日本での働き方を考える。小泉内閣の頃に書かれているのでふるさはある。 その後雇用の多様化のためにさまざまな規制の撤廃が行われたが、 本来のワークシェアリングが目指す豊かで多様性のある暮らしには全然向かっていないのは、 なぜなんだ。

ワークシェアリングには、雇用量の維持拡大、新雇用形態の創出の2つの目的がある。 形式としてはジョブシェア就労と、短時間就労がある。

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根本 孝
ビジネス社
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ベーシックインカム 分配する最小国家の可能性

ベーシックインカム 分配する最小国家の可能性 立岩真也 齊藤拓 ISBN4791765257 青土社

国民に一律に給付金を出すというベーシック・インカムに関する論考集。 専門家による専門家に向けた本なので、大変よみにくい。。 いろいろ留保をつけて言質をとられないような書き方は、専門家としては仕方ないのだろうけど。。

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限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭 ジェレミー・リフキン ISBN4140816872

IoTの進展によって、生産性が向上すると、初期投資以外の生産コストが限りなくゼロに近づいていくため、 希少性をベースにした需要供給による価格決定機構が機能しなくなり、資本主義が終焉する。 その後にはシェアリングエコノミーが立ち上がる、と解く。

議論としては面白いのだが、IoTを支えるネットワークを支える主体に関する目配りが足りないのではないか。 現実のインターネットの構造が全然P2Pじゃなくて、トポロジとしてはスターに近いということ がわかっていないんじゃないかと思う。計算機構とネットワークの区別もあやしい。。

シェアリングエコノミーというアイディアは素敵だが、 その先端を行くUberがディストピアみたいな会社になっちゃってるのはたまたまなのか。 なにか見落としている事があるんじゃないか。。

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ジェレミー・リフキン
NHK出版
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2017年5月20日土曜日

猟師の肉は腐らない

猟師の肉は腐らない 小泉 武夫 ISBN4101259461 新潮文庫

「味覚人飛行物体」を自称する小泉武夫が、茨城と栃木と福島にまたがる八溝山中に住む 山人「義っしゃん」を訪ね、山人の生活を書き記したもの。 夏と冬の訪問が書かれているが、 夏にはヤマカガシに噛まれ、アシナガバチに刺され、冬には 犬のクマが 手負いのイノシシにやられて重症を負うなど、波乱万丈である。

前も同じ著者の本で気になったのだが、この人は、幼虫と蛹を区別していないような。 カブトムシの蛹を食べたという部分は描写をみると幼虫のようだし、 中国で食べたという「セミの蛹」に至っては、不完全変態のセミには蛹という段階がそもそもない。 クサギカメムシのウジ状の幼虫を食べた、というはなしもあるが、カメムシも不完全変態なので、 ウジ状の幼虫という段階はない。なにか別の虫だったんじゃないかという気がする。 これだけ博覧強記なのに、虫まわりだけいい加減というの不思議な話だ。

猟師の肉は腐らない (新潮文庫)
小泉 武夫
新潮社 (2017-03-29)
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2017年5月12日金曜日

灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿

灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿 篠田 真由美 ISBN4062735407 講談社文庫

建築探偵シリーズというものらしい。図書館に並んでいる中から、発行年月日が一番若そうなものを チョイスしたのだが、たぶん4作目。なのだけど時系列的には、シリーズの舞台よりも数年前ということで、 主人公のワトソン君と桜井京介の最初の出会いと事件が描かれている。時期は1988年から89年にかけて、 ということが小説内の記述から非常に正確にわかる。

主人公は、早稲田の学生。アパートが地上げにあい、偶然転がり込んだ下宿で事件に巻き込まれる。 まず、住人の一人が後頭部を打って死亡。さらに、住人の一人である大学教授の秘書が 殺害される。

教授はライトと縁があり、ライトに関するさまざまなうんちくが繰り広げられる。 なかなか面白いが、他の作品にはまた別の建築家が出てくるんだろうか?そんなにたくさん 誰でも知っている建築家がいるとも思えないのですぐネタ切れ思想だが。。

灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)
篠田 真由美
講談社
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