ベガーズ・イン・スペイン
ISBN4150117047
ハヤカワ文庫SF
短編集. 「ベガーズ・イン・スペイン」「眠る犬」「戦争と芸術」「密告者」「想い出に祈りを」「ケイシーの帝国」「ダンシング・オン・エア」.「眠る犬」は「遥かなる地平(1)」で,「ダンシング・オン・エア」は「90年代SF傑作選(下)」で既読.
表題作「ベガーズ・イン・スペイン」と「眠る犬」は,遺伝子改変により眠らなくなり,知的で,情緒が安定し,あまつさえ不老不死になってしまった無眠人と,従来の有眠人の対立を描く.タイトルは,一人のスペインの乞食が来たら1ドルをやるだろうが,1000人来たらどうする?という比喩的な思考実験を意味する.
ナノテク,遺伝子改変など90年代っぽいガジェットと,登場人物に対する乾いた筆致が,現代SFっぽい.同じ著者のプロバビリティ・シリーズが最近邦訳されている.このシリーズは「密告者」の世界をベースにしているらしい.これらも機会があったら読んでみたい.
ベガーズ・イン・スペイン (ハヤカワ文庫SF)
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ナンシー クレス
早川書房
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あ、これ僕も読んだ。結構面白かったので、プロバビリティシリーズも読んでしまった。
返信削除プロバビリティの方は未来を舞台としたアクション小説だったよ。面白かったので文句は無いけど。