2012年4月28日土曜日

99%の誘拐

99%の誘拐 岡嶋 二人 ISBN4062747871 講談社文庫

5歳児が誘拐され、父親は会社を手放して身代金を払う。父親の会社は大会社リカードに 吸収合併される。 その20年後、かつて誘拐された慎吾は成人し、リカードの研究員となっていた。 20年前の身代金の行方が明らかになったことから、真実を推知した慎吾は コンピュータと電子機器を駆使して、リカード会長の孫を「誘拐」する。

1988年に発表された作品なのだけど、合成音声を用いた脅迫電話や コードレスホンを乗っ取ってのアクセスなど、当時としてはそうとう斬新だったのでは ないだろうか。今はコードレスホンはデジタル化されてるから成立しないだろうけど。 GPSと携帯ネットワークによる常時アクセスが当たり前になった今ならどういうトリックに なっただろう、と考えてみるのも楽しい。

著者の岡嶋二人は、1980年代に活躍した井上夢人と徳山諄一の合作ペンネーム。 ほかには、「珊瑚色ラプソディ」しか読んだことがない。 どちらも品がよく、面白かった。他のも探してみよう。井上夢人の作品も。

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2012年4月25日水曜日

志の輔旅まくら

志の輔旅まくら 立川 志の輔 ISBN4101049211 新潮文庫

試してがってんでおなじみの志の輔の「まくら」を集めた本。 実はまだ一度もまともに落語を聞いたことがないかも。。いかんな。 まくらといえば、柳家小三治がまくらの名手といわれているが、 志の輔もなかなかのもの。この本はネタを旅行関連に絞っているので、 紀行文としても面白い。

志の輔のことは師匠故立川談志も非常に高く評価していたようだ。 ちゃんと聞いてみないとなあ。

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2012年4月24日火曜日

アリとキリギリスの日本経済入門

アリとキリギリスの日本経済入門 土居 丈朗 ISBN4480426795 ちくま文庫

バブルの起こりから現在までの日本経済を昆虫村に例えて解説。 1章ごとに「昆虫村」での出来事と、日本で起きたことの解説が書かれている。

分かりやすいといえば分かりやすいのだけど、別に無理に例えなくても、という気が しないでもない。 ちなみにおはなしの中では「虫央銀行」がインフレターゲットを設定して 景気回復めでたしめでたしになってるんだけど、さて、日本の明日はどっちだ。 原発問題などという難題も抱え込んでしまったしなあ。。

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2012年4月19日木曜日

Hadoop MapReduce デザインパターン ―MapReduceによる大規模テキストデータ処理

Hadoop MapReduce デザインパターン ―MapReduceによる大規模テキストデータ処理 Jimmy Lin, Chris Dyer ISBN4873115124 オライリージャパン

流行のMapReduce は力技で大量のデータ処理ができるが、だからといってなにも工夫が必要でないわけではない。 かいてみると以外に制約も多く、なかなか思った通りのことを書けなかったりする。 本書は、そのような場合に適用できるさまざまなテクニックを、具体的なデータアルゴリズムに沿って 紹介している。 英語版は、PDFが ここ で公開されている。

原題「Data-Intensive Text Processing with MapReduce」。 コードサンプルは擬似コードで書かれているだけで、Hadoopコードは全然出てこない。 そのせいで、わずか170ページ程度の本だが、非常に内容が濃い。 そのかわり、初学者にはちょっと敷居が高いかもしれない。

著者のJimmy Linとはちょっとお会いしたことがある。 若いのにすでにTenureを持っている俊才で、いまはサバティカルでTwitterにいるらしい。 こういうことができるところが、アメリカのいいところだよなあ。。

監訳者のお一人はノーチラスの「社長」神林さん。

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ウルトラ怪獣列伝

ウルトラ怪獣列伝 ブレインナビ ISBN4569670717 PHP文庫

初代ウルトラマン、ウルトラセブンに登場した怪獣についてそれぞれ2ページずつ。 このあたりちゃんと見ているつもりだったんだけど、初代ウルトラマンにかんしては全然記憶 にないことが判明。本放送は生まれる前だもんな。フラッシュライトのかわりにスプーンで変身 しようとしたシーンが記憶にあるのだけど、再放送で見たのか、特集番組かなんかでみたのか。 セブンは中学生の頃再放送で見たので結構ちゃんとおぼえている。メトロン星人とか。

いろいろな怪獣・宇宙人や番組としての流れのテンプレートみたいなものがこの2年間でほぼ完成している のがよくわかる。おそるべし、円谷英二。

平成ウルトラセブンシリーズなるものがあり、ノンマルトのその後とかが描かれているらしい。 ちょと見てみたい。

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2012年4月16日月曜日

円谷英二の言葉―ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言

円谷英二の言葉―ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言 右田 昌万 ISBN4167801299 文春文庫

日本特撮の父、円谷英二の言葉を紹介。著者は、もと円谷プロの脚本家で、映画監督。「日本以外全部沈没」の脚本。 巻末に、円谷昌弘との対談あり。

サックリ読める軽い本だが、特撮と円谷英二への愛に溢れているのはわかった。ウルトラQ、ちゃんと見たことがないから見てみたいな。

そういえば、80年代末期のアイドル、円谷優子は円谷英二の孫娘だったなあ、ちょっとミニラに似てたな。などと思いだしたり。アルバム「Nineteen, Twenty」は傑作。

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2012年4月9日月曜日

Google App Engine for Java実践ガイド

Google App Engine for Java実践ガイド 小川 信一 ISBN4844331736 インプレスジャパン

いつもお世話になっている、Google API Expertの小川信一さんによるApp Engineの本。App Engineは動きが早いので、(私のも含めて)これまでの本は結構寿命が短かったけど、ここのところさすがに動きがおさまってきたので、この本は長くリファレンスとして活用できそう。昨年の料金体系変更後の、料金節約方法も書かれていて非常に有用。Master-SlaveからHigh Replication への移行方法も書かれている。App Engine開発者必携。

IDE+JUnit+Slim3という「近代的」なツールを使うことを前提に、正しい開発方法の「お手本」を示している。真似をしていれば自然に正しい開発手法が身につく。すばらしい。

本論とはあんまり関係ないけど面白いのは、Eclipseの補完を徹底的に使ってタイプ数を減らすよう、事細かに書かれていること。小川さんは、普段から、Javaのコードは自分で書くんじゃなくてIDEに書かせるもの、と仰っているけど、なるほどここまでやるか、と感動。わたしのEclipse使い込みは全然たりないと反省。

Google API Expertが解説する Google App Engine for Java実践ガイド
小川 信一
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