エラリー・クイーンのドルリー・レーンもの。中学生のときに読んでるはずなんだけど、 ニコチンコルク玉しか印象になかった。
二人組の覆面作家だったエラリー・クイーンが、別の出版社からバーナビー・ロス名義で出版した シリーズの1作め。エラリー・クイーンの二人が、クイーン役とロス役の二人二役で、 覆面をかぶって対談までしていたというのだから、凝ってる。
探偵としてのエラリー・クイーンは造形があまりにも単純なアメリカのお坊ちゃまであるのに対して、 ドルリー・レーンは引退した耳の不自由なシェークスピア俳優という無駄に凝った造形。
舞台はニューヨーク。資産家の男性が路面電車で急死する。死因はポケットに入れられていた ニコチンボール。さらに真相を悟ったと思われた車掌、男性の共同経営者が殺害される。
話としては、被害者が若いときに外国で悪行を働いておりそのむくいで殺害されていた、という 型で、シャーロック・ホームズの「緋色の研究」とかに似ている。 ほかにもこのパターンあったような。一つの型になっているのかもしれない。
原著は1932年。日本語訳が1960年ということでいかにも古い。。角川のは新しいようだ。 デンプシー・ロールで有名な、ジャック・デンプシーが言及されている。