深淵のガランス
ISBN4163247203
文芸春秋
銀座の花師にして絵画修復師の佐月恭壱を主人公にした中編が二編(表題作と,血色夢)収められている.表題作のガランスはフランス語の garance (茜色).ギャラリーフェイクとZEROを足したような話だ.全体に無駄に気障なハードボイルド調なところはZEROのほうに近い.もちろんZEROよりは人物造形に深みがあるが.
表題作では,クリーニングを依頼された絵画の下塗りの下に描かれていた絵を,表面の絵を拭い取ること無く再現する.
血色夢では,岩手の山中でみつかった壁画の修復を背景に,複数枚に分割されそれぞれ独立した作品だとされていた絵の修復(といっていいのか..)が語られる.
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