「イケズ」とは京都特有のイジワルのことかと思っていたが、イケズには悪意はないので意地悪とは違う、と説く。シェイクスピアの京都弁翻訳、源氏物語の京都弁現代語訳は傑作。著者は、京都出身、ロンドン在住。 イラストは京都出身のひさうちみちお。
2010年7月28日水曜日
天冥の標 2 救世群
ニューギニア高地に発生したウィルス疾患がアウトブレイク、世界のあちこちで大量の死者が。何とか生き延びたが回復者たちも、感染源となるため隔離され、一般社会との軋轢に苦しむことに。一方、ウィルスの本来の宿主は卵胎生の六本足の動物であることが判明する。
1のメニー・メニー・シープの続きのつもりだったのだが全然関係ない。というか前日譚ということになるのか。こちらも羊がキーワードになってはいる。1は遠い未来の話のはずだが、2は現在の地球。どうやって2と1の間をつなぐのか、そして、1の続きはどうなるのか。 なんにせよすでに出ている3も読まなければ。 人物描写が細やかで感情移入しやすいのにすぐ死んだりひどい目に遭ったりするのでちょっとキツイ。
2010年7月24日土曜日
さよならペンギン
主人公は、この宇宙の「観察者」であり、その定義上不老不死。拡張体であるペンギンのペンダンを相棒に、 数千年を生き、数え切れないほどの出会いと別れを繰り返している。かれらは、他の観察者との出会いを もとめて夜の町を徘徊する。
非常におもしろかった。冒頭からいきなり引き込まれる。非常にうまい、んじゃないだろうか。 やや「ラノベ」っぽい部分が気になる(実際ラノベも書いてるらしい)が、今後も期待したい。
裏表紙の紹介によれば、「哀愁の量子ペンギンSF」だそうだ。 ちなみに、筆者の下の名前は「サイエンス」と読むらしい。
早川書房
売り上げランキング: 95449
2010年7月21日水曜日
ηなのに夢のよう
Gシリーズ6作目。「ηなのに夢のよう」というメッセージを残して自殺する事件が 多発する。背後には真賀田四季の影が。
西之園萌絵、D2でドクター論文執筆。優秀だなあ。話としてはすでにミステリーでもなんでもない。高い木の上で自殺していた人がどうやって登ったか、という話もちゃんとは書かれていないし。まあ、そんなことは、もうどうでもいいので、シリーズとしてちゃんと伏線を回収して欲しい。
2010年7月20日火曜日
独身手当―公務員のトンデモ給与明細
筆者は、厚生労働関係の特殊法人を告発した人。
たしかに公務員は優遇され過ぎているのかも知れないが、 「有給休暇や育児休暇を民間に比べて取りすぎ」とかはおかしいだろ。 民間ももっととるようにするべきこと。 サバティカルも批判すべきことなんだろうか? どんな社会にしたいのか、立ち返って考えてみるべき。
新潮社
売り上げランキング: 70529
未来からのホットライン
先日ホーガンが亡くなったということで、久しぶりに 本棚からひっぱりだしてきた。何年振りだろう。 高校生のときに読んで以来か。
スコットランドに住むノーベル賞受賞学者が 粒子の対消滅時に、エネルギーの一部が時間軸に沿って飛ぶことを発見する。 この現象を利用して過去への簡単なメッセージの送信が可能になった。 折しも、近辺では重イオンビームによる核融合プラントが立ち上がろうとしていた。 そんななか、学者の孫である主人公マードックは、核融合プラントで働く美しい女性アンと運命的に出会う。 核融合プラントの始動により、致命的な災厄が発生。ふたりは災厄から人類を救うために、歴史を改編するが、それは、二人の出会いが無かったことになることを意味していた。 さらに、なぞの疫病が、カリフォルニアを中心に蔓延。マードックの親友リーも倒れる。
やっぱり、この頃のホーガンは、スゴクイイ。これが新刊で手に入らないなんて、なんかおかしいだろ。是非、他のも合わせて再版してほしい。
東京創元社
売り上げランキング: 47505
2010年7月4日日曜日
宇宙旅行はエレベーターで
遠い将来の技術としてではなく、直近 ー2020年頃ーの技術として宇宙エレベータ(軌道エレベータ)を論じている。 軌道まであがっていくのに丸3日かかるのか。。大変だ。 地上のステーションの場所選定や、切れたときに何がおこるか、など、なかなかおもしろい議論だった。 序文を、「楽園の泉」で知られるクラークが書いている。
武田ランダムハウスジャパン
売り上げランキング: 116083