講談社 (2011-11-02)
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とか見た映画とか
毎回話しが飛ぶのでついていくのが大変なシリーズ5作目。今回は数千万年前の 遠い銀河で起きた被展開体知性の発生と、4作目と同時期の 太陽系の小惑星ベルトの農場での父娘の生活を並行して描くという離れ業。 知性の発生の描写は実にたくみで、「そういうこともあるかなあ」と思わされて しまう。農場での生活の描写も見てきたかのよう。
これでようやく、六本腕の猿や羊の話がつながった。でもまだ一作目の 世界まではかなり遠い。ちゃんと着地してくれるのを楽しみに待とう。
ところでこのシリーズ、翻訳して輸出したりしないのだろうか。その価値は十分ある と思うのだけど。
ライフガードサイトで出会ったそれぞれに欠落を抱えた6人の若者が、 アキハバラにベンチャーを立ち上げ画期的な検索エンジンクルークを発明する。 「デジキャピ」にクルークを強奪された6人は、正面から戦いを挑む。
映画にも、TVドラマにもなっている青春小説。 「デジキャピ」のモデルは「ソフトバンク」なんだろうなあとか、 となれば当然「頭髪が薄くなっている」中込社長は、孫正義なんだろうなあとか、 水戸黄門みたいに最後に出てくる「国産OSの開発者の教授」半沢航のモデルは坂村「トロン屋」ケンちゃん なんだろうなあとか。
個性を与えられた検索エンジン(というよりは検索コンパニオンプログラム)が人工知性に成長する、 というのは荒唐無稽だ、とか、借りにもクロールする検索エンジンのストレージが1部屋におさまる程度で すむわけ無いだろ、とか、いろいろ突込みどころはあるけど、まあ、それは小説なので。
ひとつだけ。ベンチャーのオフィスに飾られた人間大のザクの模型の描写。 ザクが持ってるのは実弾のマシンガンで、ビームライフルではない。ここは直してほしいな。