知っているようで意外に知らない,戦争がどのように始まって,どのように終わるのかを一問一答式で書いている.
内容は結構面白いのだが,19-20世紀型の戦争にほぼ限定されているため,現在においてどの程度本書の議論する「軍事学」に意義があるかは疑問.もちろん,技術に依存しない本質はあるのだろうが.
あと,共産主義キライ,平和主義キライ,イスラムキライ,中国キライという論調なので,ちょっと辟易.どうしても内容を割引して読まざるを得ない.
とか見た映画とか
知っているようで意外に知らない,戦争がどのように始まって,どのように終わるのかを一問一答式で書いている.
内容は結構面白いのだが,19-20世紀型の戦争にほぼ限定されているため,現在においてどの程度本書の議論する「軍事学」に意義があるかは疑問.もちろん,技術に依存しない本質はあるのだろうが.
あと,共産主義キライ,平和主義キライ,イスラムキライ,中国キライという論調なので,ちょっと辟易.どうしても内容を割引して読まざるを得ない.
南極料理人による災害対策マニュアル.ビニール袋と新聞紙でかなり暖かく過ごせるというのは面白かった.そういえば著者の南極の話が映画になるらしいが,一体どういう映画なんだろう.ちょっと想像がつかない.
気がついたら6月にでていた.25巻からわずか1年で出るとは優秀!とおもったら,本編は前半のみで,後半は大昔の漫画の採録.むう.本編は季刊の連載2回分のようだ.
絵が美麗なのは認める.認めるが,せめて季刊の原稿ぐらい毎回書いてほしい.21巻(1999年9月)から26巻(2009年6月)までに10年かかるってどう考えてもオカしいだろ. まあ,なんだか知らないが完全に止まっちゃっているらしいFSSに比べればましではあるのかもしれないが.
2003年夏に都内の書店で,行われたトークセッションをまとめた対談をまとめた単行本に, 2007年9月に行われた対談を追補した文庫版.
日本の現状に絶望感を覚えるとともに,お二人の,それでも自分のできることにコミットしていこうという姿勢に心をうたれる.私も,自分のできることをできる限りやらなければ.世界は全然違うけど.
アメリカ流グローバリズムの例として,TRONの話が出てきたのには違和感がある.89年の時点で,国内標準としてTRONをプッシュしていたとしても,大勢はかわらなかったような気がするなあ.その後のWindowsへの移行の微妙な妨げにはなっただろうが,むしろ害しか無かったんじゃないだろうか.
気力というもののない主人公高橋は,大卒後他の就職試験に失敗し,他に社員が一人しかいない零細企業銀河不動産に入社する.お金持ちの間宮夫人から広大な建物を借りることになったことから運命が変転する.
あまりにも都合が良すぎてうらやましい.のどかなお話.銀河不動産の謎の女性社員佐賀さんや,コンクリート芸術家,バンドマン,アマチュア発明家?など登場人物が魅力的.
しかし,森博嗣,多作だなー.いったいどんなペースで書いてるんだか.これで専業作家じゃないって言うんだからびっくりだ.
人類が太陽系に進出した未来,自動的に増殖し人類を敵視する謎の機械生命体ETに追いつめられ,絶滅の危機に瀕した人類は人造人間「メッセンジャー」を過去に送り,ETの侵略を初期のうちに叩く作戦に出る.これにともなって,ETも時間を遡行,様々な時間帯でメッセンジャーと戦いを繰り広げる.卑弥呼の時代に現れたメッセンジャーは卑弥呼とともに,この時代のETと戦う.
いわゆるタイムマシンもの.タイムパラドックスには目もくれず,豪快に時間を改変していくのがすごい.「この戦いに勝てるのであれば未来から救援が来ているはず.来てないからには負けなのだろう」という理屈はなんか,すごい.
とてもおもしろかった.他の作品も是非読んでみたい. 日本人作家の書くものには,海外ものにはない,なんというか生活感があるのはなんでなんだろう?日本人だからそう感じるのだろうか.
短編集「フリーランチの時代」に収められていた「アルワラの潮の音」はこの話のスピンオフなのだそうだ.なるほど,こっちを先に読んでおくべきだった.
どこにも書かれていないが,ZOKU, ZOKUDUMと続いてきたZシリーズの第3弾ということなのだろう.これまで敵味方に分かれていた,品川,十河,齊藤,揖斐,永良の5人が一方に集合.タイトル通り,「戦隊」を結成する.
Zシリーズと言っても,ZOKU,ZOKUDUM同様,登場人物の名前とおおざっぱなキャラクターだけが一致しているだけで,設定は全然違うし同じタイムラインの上の話でもない.キャラクター造形は再利用できて,設定やイベントの整合性に感しては気を使う必要が無い,というすばらしいシステムだ.
新任の准教授品川は,木曽川教授を委員長とする「研究環境改善委員会」に参加することになり,なぜか,「イエロー」としてヘルメットと衣装を渡されてしまう.委員会の背後にはノーベル賞受賞者の黒古葉教授がいた.
「(大学の)研究環境とは,すなわち,人類の夢のうえに,かろうじて,危うく,成り立っている幻想だ.つまりは子供が見ているアニメと同じ,といっても過言ではない.」むう,さすがに,そこまでひどくはないと信じたい.役に立っている大学の研究だってあるはず.我々のやってるのは怪しいけど.
大学病院から文筆家兼開業医(の手伝い)に転身した著者が,日本の医療界の問題点を指弾する.まあ,それほど目新しい話題はないが,あらためて,ひどい状況だということはよくわかった.
いろいろな問題のかなりの部分は,国民に対して侮ることなく,啓蒙活動をしていくことで解決しそうなのだが,そういうのを医者と官僚は一番いやがるんだよなあ.正直もうこの国はだめかもしらん.
出産と育児のさまざまな社会的なコストが,母親にのみのしかかっており,それが少子化の原因だ,ということを喝破した好著.実際,日本(の少なくとも東京近郊)は子育てには最悪だ.社会的なシステムもさることながら,いわゆる「世間」が子連れに理解が無さ過ぎる.子連れでアメリカとフランスにショートステイしたことがあるが,どちらでも,次世代を育てることが社会的に必要だと言うことが,共有されていた気がする.日本という国のシステムは緩慢に自殺しているようなものだ.
そもそも,核家族で子育てするのはいろいろな意味で無理なのだと思う.昔のように大家族で育てるか,フランスのように社会全体でフォローする仕掛けをつくるか,二択.現状からだと,後者しかあり得ないと思うのだが,どうもそういう方向には向かっていないんだよなあ.
日経のウェブサイトに連載されている「食べ物 新日本奇行」をまとめた本.単行本として出版された,「全日本「食の方言」地図」に東海道暴れ食いを追加して文庫化したもの.ウェブの連載を毎週読んでいるのだが,あらためて,この狭い日本の中の豊かな?食文化のバリエーションに圧倒される思い.よくもまあこんなにも,と.
言葉としての方言はテレビの普及によって消失しつつあるといわれているが,「食の方言」のほうはなかなか消えそうにないところがうれしいところだ.
「啓示空間」の直接の続編.「カムズ・シティ」の登場人物もでてくる.主人公のひとりクラバインは,短編集「火星の長城」のいくつかでも主役を張っているらしいが,未読.
「啓示空間」のラストでシルベスタが注意を引いてしまったため,「インヒビター」が来訪.衛星を分解して怪しげな恒星攻撃兵器を組み立て始める.クーリとイリアは,リサーガムの住民を救い出そうと奔走する. 一方連接脳派も,インヒビターに対抗すべく,「啓示空間」の「隠匿兵器」を取り戻そうと動き出す.連接脳派のひとりクラバインは,連接脳派をはなれて,独自に隠匿兵器奪還に動く.
原題は「Redemption Ark」直訳すれば「贖罪の箱船」.別にこれでよさそうなものだが,漢字4文字にしたのは「啓示空間」との連続性を重視したのか.
亜光速での追跡と戦闘は読み応えあり.しかし,結局のところ何も解決してない? 「マドモアゼル」は結局なんだったんだ,とか,人類は結局どうなるんだ,とか.続刊に期待.
なにはともあれ,分厚い.1200ページ.1600円(税別).大学生のころよく食べた超大盛りの「スーパージャンボやきそば」を思い出した.もうお腹いっぱいなのにまだ1/3か,とかいう感覚がよく似ている.さすがに訳者のあとがきでもこの分量は言及されている.分冊にすると合計価格はさらに高価になるので我慢してくれ,とのこと.しかし,持ち歩きにくい...