2009年7月15日水曜日

時砂の王

時砂の王 小川一水 ISBN4150309043 ハヤカワ文庫JA

人類が太陽系に進出した未来,自動的に増殖し人類を敵視する謎の機械生命体ETに追いつめられ,絶滅の危機に瀕した人類は人造人間「メッセンジャー」を過去に送り,ETの侵略を初期のうちに叩く作戦に出る.これにともなって,ETも時間を遡行,様々な時間帯でメッセンジャーと戦いを繰り広げる.卑弥呼の時代に現れたメッセンジャーは卑弥呼とともに,この時代のETと戦う.

いわゆるタイムマシンもの.タイムパラドックスには目もくれず,豪快に時間を改変していくのがすごい.「この戦いに勝てるのであれば未来から救援が来ているはず.来てないからには負けなのだろう」という理屈はなんか,すごい.

とてもおもしろかった.他の作品も是非読んでみたい. 日本人作家の書くものには,海外ものにはない,なんというか生活感があるのはなんでなんだろう?日本人だからそう感じるのだろうか.

短編集「フリーランチの時代」に収められていた「アルワラの潮の音」はこの話のスピンオフなのだそうだ.なるほど,こっちを先に読んでおくべきだった.

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
早川書房
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