翻訳は伊藤典夫.1966年の作品ということで,かなり古典的.主人公の科学者が拉致されて連行された惑星では,異次元の生物ノパルにとりつかれた人々と,とりつかれていない人々の間の戦争が終結したところだった.主人公は,地球(ノパルガース)のノパル殲滅を命令されるが,異次元生物はノパルだけではなかった.
この作品がいまさら訳出されるところに,ハヤカワ文庫の底力を感じたり,感じなかったり.
とか見た映画とか
翻訳は伊藤典夫.1966年の作品ということで,かなり古典的.主人公の科学者が拉致されて連行された惑星では,異次元の生物ノパルにとりつかれた人々と,とりつかれていない人々の間の戦争が終結したところだった.主人公は,地球(ノパルガース)のノパル殲滅を命令されるが,異次元生物はノパルだけではなかった.
この作品がいまさら訳出されるところに,ハヤカワ文庫の底力を感じたり,感じなかったり.
歴代の日本医師会長を通じて,日本の医療を論じる.武見太郎が強烈な人だったというのは聞いていたが,想像以上だった.
もう一つ驚いたのは,保険診療が割に最近まで,「貧者のもの」だったというはなし.武見太郎の診療所は最後まで,自由診療だったし,三木赳夫首相が入院した際に保険診療を受けたらびっくりされた,とか.
しかし,ご多分に漏れずビジョンのない日本の医療は今後どうなるんだろう...っていうか,なんで日本の行政には常にビジョンがないんだろう?
山吹,加部谷,海月のGシリーズ第4弾.山吹と加部谷の乗り込んだ東京発セントレア行きの深夜バスがバスジャックにあう.犯人の背後には,自殺志願者の集まりらしき集団と,「ε」の文字が.
トリックらしいトリックもでてきて,久々にミステリーとして破綻していなくてほっとした.どうも,このGシリーズは,シリーズ全体として一つのミステリーのつもりのようだ.にしては,1作目と真賀田四季の関係がわからん...
JTBから(後に集英社から)発行されていた「旅」という雑誌の連載をまとめた物.なんと,全国各地の地麺を食べ歩く,という実にうらやましい企画.「筋鉄」である編集者I氏とのかけあいが面白い.筆者は,テレビにもよく出ているらしいが,テレビ見ないから全然知らない.すみません.
登場するのは,おきなわそば,山梨のほうとう,稲庭うどんなど,すでに全国区のものも多いが,留寿都のジャガイモでんぷんの麺など聞いたことのないものも多い.大阪のカスうどん,食べてみたいなあ.
うちの奥さんがときどき作るナスを炒めて,素麺と煮るという謎料理が由緒正しい富山の物であったことも判明.そうだったのか...
1980年,81年に出版された,戦後少女マンガ史,戦後SFマンガ史に続くマンガ史3部作の最後の作品の文庫化.例によって大変な労作だが,81年ということで,進めパイレーツ,Dr.スランプ,らんぽうあたりまでしかカバーできていない.その後の,エポックメイキングなギャグマンガといえば,私の知る限りでは,吉田戦車,榎本俊二あたりか.赤塚不二夫,山上たつひこあたりに比べると小粒感は否めないかな.筆者がどのような評価をしていたのか,聞きたかった.
邦題「あなたは私の婿になる」.ラブコメ.Sandra Bullock演じるやり手編集者マーガレットは,ビザの更新を忘れたため,国外退去させられそうになり,苦肉の策でアシスタントの青年アンドリューと偽装結婚を試みる.アンドリューの祖母の誕生日を祝うために,故郷アラスカに同行しそこで挙式をすることに.
アラスカの雄大な風景がNYと対比をなして素晴らしい.なかなか面白かった.こういうの結構好き.
邦題「ナイトミュージアム2」.魔法の石版で,博物館の展示品が夜になると動き出す,という設定の2作目.夜警だった主人公は,通販会社で成功を収めていたが,博物館は大改装で,旧来の展示品をスミソニアンの地下にある倉庫に移すことに.ところが,石版もスミソニアンに移ってしまったことから,スミソニアン博物館のすべての展示品,さらにはリンカーンの像まで動き出す.動き出したエジプト王が石版の力で軍隊を呼び寄せて世界を征服しようとするのを防ぐために,主人公はやはり動き出したアメリア・エアハートとともに戦う.
どこから突っ込んでいいのかわからないような設定だが,まあそれは仕方がないだろう.1作目をみていないので,なおさら.
惑星規模の風船の中に,人工の太陽がいくつか浮かぶ世界ヴァーガ.内部は無重力で,人々は対流とともに漂流する浮かべた町に住み,木造の戦艦やファンジェットエンジンにハンドルをつけただけのバイクにのり,王国や空賊を構成している.風船の外ではあまりに科学技術がすすんだため,物理法則が一見機能しなくなっているが,ヴァーガ内部は,その内部の太陽の機能で,高度な科学技術が機能しないため,通常の物理法則が守られている.
主人公は,父母をとスリップストリーム帝国に対するレジスタンスで失った青年.復讐のために帝国に潜入するが,スリップストリームの特殊任務を帯びた艦隊に同行し,中心太陽にむかうことに.
世界設定はおもしろい.きっとこの世界を書きたくて,この話をつくったんだろうなあ.ただしいSFの書き方の一つだ.3部作らしいが,3つとも翻訳されるかどうかは,この本の売れ行きにかかってるんだろう.
1985年に起きた日航事故は,圧力隔壁の破損によって尾翼が脱落したということになっているが,それは虚偽なのではないか,と主張.圧力隔壁が破損すれば急速な減圧が起きていたはずだが,生存者の証言や,フライトレコーダの記録からもそれは認められていないとのこと.尾翼の設計上の欠陥であることを認めたくないボーイング社が,個体の問題である圧力隔壁のせいにした,というシナリオ.
たしかにこの本を読む限り,減圧はなかったように思える.尾翼の構造はすでに変更されているらしいし,再調査しても死んだ人が生き返る訳ではないけど,やっぱり再調査するべきなのではないだろうか.
「素人」考古学者の試論.津田左右吉の話は面白かった.こういう本にありがちな,「私はすべてを理解した」的な感じじゃなくて,常に控えめな書き方なのが好感が持てる.
Eddie Murphy 主演の日本未公開作品,らしい.Eddie演ずる仕事人間の資産運用コンサルタントが,娘とのふれあいを通して,自分をとりもどす,という非常によくある「小公子型」の話.ライバルのネイティブアメリカンを気取るコンサルタント,White featherが面白い.
All you need is loveをはじめとして,各所でビートルズが使われている.
娘の名前が,Oliviaなのは,この絵本からとられているのだろう.劇中に出てくるし.この絵本,傑作です.
ジョン・コナーが,過去にさかのぼることになる自分の父親カイルを保護しようとする.カイルは,謎の青年マーカスと旅をしていたが,マーカスには本人も知らない秘密があった.
ターミネータシリーズも4作目.だいたいこう言うのは作数に従って単調に悪くなっていく物なので,本作のできは推して知るべし.いろんな意味で粗い話だ.大画面でみればまた別の感想もあったかもしれないが,飛行機の中で見たので...シュワちゃんがCGで登場.っていうか,CGで必要十分...技術の進歩がすごいというか,アクション映画の悪役なんてそんな程度だというか.
どうでもいいが,まだまだ続きそうだ.
「タイム・パトロール」の著者,ポール・アンダースンによるスペオペ.宇宙版007.だが,本家007よりも先に発表されていると言うからすごい.徒手空拳,口八丁でライバルの帝国を滅ぼすは,異星人の王女を口説くは,でめちゃめちゃだ.
時間封鎖の続編.原題「AXIS」.3部作の予定で,3作目はVORTEXというタイトルまで決まっているらしいが,まだアメリカでもでていないらしい.
時間封鎖が解かれると同時に,インド洋に設置されたアーチを介して,もう一つの世界と行き来できるようになったところで前作はおわり.本作の舞台は,そのもう一つの世界,封鎖解除から30年後.ポートマゼランという港町ができて,開拓地となったもう一つの世界.火星のテクノロジで寿命をのばした「第4期」のカルトコミュニティが奥地に拠点を築き,仮定体との交信のためにある実験を行う.実験対象となったアイザックが12歳になった夏,なぞの構造物を含む灰が天から降ってきた.
今回の主人公は,行方不明になった父親の痕跡を追って,事件に巻き込まれる女性リーサ.前作の主要登場人物の一人がちょっとだけでてくる.面白かったが,謎は全然とけていない.3作目,早くでないかなあ..
ノンフィクションらしいのだが,とにかく文章が読みにくい.全体としての論旨もとりにくい.最後の最後で主張らしきものがでてくるのだが,まとめると
プロバビリティ3部作の3作目. 2作目で活躍した物理学者トマス・カペロが自宅から誘拐される. 退役したカウフマンとマーベットがワールドを再訪している間に, クーデターでステファナクが暗殺され,より愚かなピアーズが台頭する. ピアーズは,宇宙を破滅に導く素数13で人工物を作動させると予想されたため, カウフマンとマーベットと救出されたカペロは,フォーラーとの交渉に赴く
カペロの娘アマンダの冒険,妖女マグダレナなど脇役も面白い.
三作がそれぞれ趣が違い,どれも楽しめた.一番よかったのは2作目のサンかな. 他の作品は翻訳されていない.