最近読んだ本: 完本カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」

2009年11月7日土曜日

完本カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」

ラベル: 経済, 雑学時刻: 8:30

完本カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」佐野眞一 ISBN4480426302, ISBN4480426310 ちくま文庫

ダイエーの興亡を20年に及ぶ取材で描く．中内功存命中に出版されたものに，加筆したもの．食人の噂さえあったフィリピンの戦場で植え付けられた極限の人間不信と飢餓が，ダイエーの興隆と滅亡の原因になったと説く．

それにしても，2001年の有利子負債額2兆5千億円とはすごすぎる．本書中でも触れられているが，いまはなき，つくばのダイエーは本当にひどかった．生鮮食料品の質が低く，値段が高く，店員に愛想がなかった．自宅近所のダイエーは今現在悪くないが，店舗改装が後手に回っている感がある．そうそう，惣菜はかなりひどい．ロゴが変わったときに，レシートに印刷されるロゴがいつまで経っても変わらなかったのが印象に残ってる．物理的な看板ならともかく，レシートに印刷されるデータなんか，簡単に変えられそうなものなのに，そこまで金がないのか，と．

それにしても，この本の情報量はすごい．佐野眞一おそるべし．正力松太郎を描いた「巨怪伝」も読んでみよう．