玻璃の天
ISBN4163258302
文藝春秋
「街の灯」につづく,ベッキーさんシリーズ.たぶん第2弾.この続編が,「鷺と雪」で直木賞受賞作になっている.これは未読.昭和10年代の東京.華族のお嬢様とその女性運転士,別宮(通称ベッキーさん)が身の回りにおこるさまざまな謎を解く.友人の祖父の代に起きた死亡新聞広告を巡る諍いを解く「幻の橋」,友人の駆け落ちさきを暗号解読で読み解く「想夫恋」,天井にステンドグラスをあしらった吹き抜けの上から右翼の弁士が墜落死する「玻璃の天」の3作.どれも,独特のさわやかな筆致ですばらしい.
この作品もそうだが,北村薫の作品には和歌や漢籍がたくさん出てくるのだけど,ほとんどわからないのが日本人として残念.せめて百人一首ぐらい覚えておけば良かったなあ..
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