2011年1月31日月曜日

幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC

幻惑の死と使途 森 博嗣 ISBN4062730111 講談社文庫

犀川助教授と西之園萌絵のS&Mシリーズ。だいたい読んでいるつもりだったのだけど、リストを見てみたら結構抜けていたので落ち穂拾い。しかし、このころの森博嗣は面白い。というか、ちゃんとミステリーの範疇に収まっている。最近のは、どうもなあ。。。まあ、あれはアレでいいと思うんだけど。

脱出を得意とする初老のマジシャンが、池での箱からの脱出劇の際に胸をナイフで刺さされて死亡する。さらに、その葬儀で遺体が霊柩車の棺のなかから消え失せた。その後、マジシャンの道具作成を担当してた男が殺害されているのが発見される。3人の弟子のうちの一人である、女性の弟子が崩壊するビルからの脱出直後に殺される。

トリックよりも動機が面白い。ちょっと異常だが納得のいく範囲。97年の本なのだが、インターネットの描写が懐かしい。大学のインターネット環境が一番快適、って、確かにそういう時期だった。「ホームページ」はあるけど「ブログ」はまだ。HTML を手で書いていたころだ。

そうそう、Gシリーズの主人公の一人、加部谷恵美が、まだ中学生で端役として出てきてる。ちょっとうれしい。

幻惑の死と使途 (講談社文庫)
森 博嗣
講談社
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