2012年1月16日月曜日

プランク・ダイヴ

プランク・ダイヴ グレッグ・イーガン ISBN4150118264 ハヤカワ文庫SF

短篇集。「ワンの絨毯」を含む7編。イーガン

  • 「クリスタルの夜」 超高速な計算機の中で人工的に淘汰を繰り返し知的生物を生み出し、この宇宙の 謎を解かせようというプロジェクトが想像外の結末を迎える。計算機の中の生命体に対して淘汰をおこなうこと の倫理的な問題がひとつのトピック。
  • 「エキストラ」 移植用の組織を保持するために脳の機能を抑制したクローンを大量に保持することが 裕福な層にとって一般的になっている世界。主人公は、組織の移植ではなく、脳の大脳皮質部分のみの 移植に踏み切るが。。。意識というか人間のアイデンティティがどこにあるのかを問う。これが一番 イーガンっぽかったかな。
  • 「暗黒整数」 傑作「ルミナス」の続編。異なる公理体系を持つ宇宙との計算での攻防。
  • 「グローリー」数学を極めた先史文明を持つ惑星に調査のために知的生命体が送り込まれる。
  • 「ワンの絨毯」異星の海には、巨大な有機分子が浮かんでいた。知的生命体との邂逅を期待していた探検隊は失望するが、この有機分子では計算が行われており、その中に知的生命体が。。 長編「ディアスポラ」の一部伴っている中編。
  • 「プランク・ダイヴ」宇宙の謎を知るために、計算機に意識を移し、ブラックホールに突入。もちろん得た知識をもって出てくることはできないわけだが。
  • 「伝播」リニアレールガンを用いて、ナノマシーンを超高速で射出、ターゲットの惑星上で、ロボットを作成させ、そこに意識をバースト転送で移植する、という。
相変わらず高品質だけど、なんというか薄味。 もっとイーガンならではの強烈なインパクトの作品が読みたい。

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)
グレッグ・イーガン
早川書房
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