ハーモニー
ISBN415031019X
ハヤカワ文庫JA
伊藤計劃のわずか3本の長編の一つで、最後に書かれたもの。
「虐殺器官」の最後で描かれた大災禍から復興した人類は
WatchMeと呼ばれる監視用ナノデバイスを体内に持ち、
監視で得られたデータに基づくコンサルタントをうけることで、
全員が健康で相互に思いやるユートピアを築いていた。
このユートピアに適合できない3人の少女は、特別な薬を用いて WatchMeの目を盗んで自殺を試みるが、一人を除いて失敗する。 その13年後、全世界で6500名もが自殺を試みる事件が発生。 さらに、誰か一人を殺さなければ同じ方法で自殺させるとの脅迫が 全人類に対してなされる。その背後には、自殺したはずの少女の影が。
意識とは、脳内の複数のエージェントが優先順位を競う際に発生する 偶発的な現象で、本質的でも不可欠でもない、というのは面白い。 そんな単純なものではないと信じたいけど。
英語版が米国で出版されディック賞の特別賞を受賞したとのこと。すばらしい。
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