2013年1月9日水曜日

屍者の帝国

屍者の帝国 伊藤 計劃 円城 塔 ISBN4309021263 河出書房新社

期待されながら夭逝したSF作家伊藤計劃の遺作を、盟友の円城塔が引き継いで書いたという異色作。伊藤計劃が書き残した冒頭部はNOVA1に収録されている。

ひとことで言ってしまえば、ゾンビがでてくるスチームパンク。この世界ではフランケンシュタインに端を発した死体再生技術が産業にまで発展し、死体に霊素をうわがきすることで再生した屍者を単純労働に使役することが一般化している。舞台は、アフガニスタン国境の山地から、日本、アメリカと点々。浜の離宮での大立ち回りまで。

屍者の暴走事件が頻発し、その背後に秘密の組織があることを察知した英国情報部が若い主人公をスカウトし、追跡させる。秘密の組織の背後には、最初の屍者が。。主人公はあのワトソン博士、付き従う記録担当屍者はフライデー、レット・バトラーやカラマーゾフ兄弟、ハダリー、ヴァン・ヘルシング、果てはチャールズ・ダーウィンなどどなどどこかでみたような名前の登場人物がぞろぞろと出てきてそれだけでも楽しい。バーナビーはどこから来てるんだろう。ぐぐるとTiger and Bunnyのバーナビーばかり引っかかって他のが出てこない。。 ディケンズのバーナビー・ラッジという作品に人並み外れた怪力の「バーナビー」がでてくるようだが、かなりイメージが違うな。 蒸気で動く巨大な解析機関をパイプオルガンで操作するというイメージもかっこいい。これはダンガードAのドップラー総統のイメージか?

昨年はなんと100冊に到達しなかったので今年はもっと読みたい。 まずは、元ネタをちゃんとよんでみないとなあ。「カラマーゾフの兄弟」は大変そうだ。。 「未来のイヴ」「吸血鬼ドラキュラ」あたりも。

屍者の帝国
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