ぼくは物覚えが悪い:健忘症患者H・Mの生涯
ISBN4152095016
早川書房
てんかんの治療のため、左右の海馬を切除したために、陳述的記憶ができなくなった 患者ヘンリーの生涯を、彼を対象に研究を続けていきた研究者が書いた本。 ヘンリーの症例を研究することで明らかになった様々な知見がわかりやすく書かれている。 研究対象としてだけではなく、一人の人間としての患者が描かれている。
全く新しい記憶ができなくなってしまったのかと思ったら、 陳述的記憶はできないが、意味的記憶はできているとか、雰囲気だけは覚えているとか、 人間の脳はさまざまな経路で記憶していることがわかり、非常に興味深い。
てんかん治療で脳を切除することが確立した術式となっていたというのも驚きだが、 左右片方だけなら海馬をとっても特に困らずにそのまま生活できるというのも驚き。。 脳のロバストさにはびっくりだ。
ぼくは物覚えが悪い:健忘症患者H・Mの生涯
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スザンヌ・コーキン
早川書房
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