2011年8月23日火曜日

南極(人)

南極(人) 京極 夏彦 ISBN4087712745 集英社
1997年から 2008年にかけて(!)散発的に小説すばる(やプレイボーイ)に連載されていたものに、1章を書き下ろした、世にも珍しい「ギャグ小説」短篇集。タイトルロールの「南極夏彦」は「がきデカ」に出てくるおやじか、山科けいすけの漫画の窓際おやじのような小説家。主人公の冒険小説家「赤垣廉太郎」や、敏腕女性編集者「椎塚有美子」がトラブルに巻き込まれる、という体裁。

最後の一編でかなりメタな話が出てくる通り、ギャグ小説というのは成立させることが非常に難しいはずなのだけど、さすがの筆力、かなりいい線いってる感じ。恐るべし、京極夏彦。

「こち亀」や「赤塚漫画」へのトリビュートみたいな短編も一つづつ。どちらも作者の愛とこだわりが感じられる。

なぜかこの本、普通の本には1本しかないしおり紐が、白一本、黒4本の形5本も付いている。これってひょっとして南極夏彦のすだれ頭をイメージしたモノなんだろうか。嫌すぎる。

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南極(人)
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