2011年8月30日火曜日

イノセンス After the Long Goodbye

イノセンス After the Long Goodbye 山田 正紀 ISBN4198618194 徳間書店
表紙絵で分かるとおり攻殻機動隊2であるところのイノセンスとのコラボレーション企画。ではあるのだけど、映画のノベライゼーションではなくて前日譚。この話の直後に映画のお話がおこる、という構造になっている。犬が誘拐される事件が相次ぎ、バトーのバセットハウンド、ガブまで行方不明になる。背後には犬のゴーストを使ってテロリストを生成する「ブリーダー」の影が。

山田正紀が書いているというので期待していたのだけどちょっと期待はずれだったかな。記憶がガンガン改ざんされる攻殻の世界を小説というメディアで書くのはなかなか難しいのかも知れない。戦闘シーンも単調、というか攻殻っぽくない。短い割に登場人物が多すぎるのかも知れない。夢にしか出てこない幻の息子、というイメージは幻想的でよい。

あと、オリジナルの攻殻と微妙にサイボーグの設定が違ってるんじゃないかな。攻殻の世界では脳はそのままで、義体はメカ中心で構成しているのだと思うのだけど、この世界では脳は計算機に置き換えられていて義体のほうはバイオ系らしい。まあ、独立した話だと思えばいいのだけど。

文中、Availability が Abailability になってる。編集者の責任だな。

イノセンス After the Long Goodbye
山田 正紀
徳間書店
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