ゼンデギ
ISBN4150120145
ハヤカワ文庫SF
ながいこと積読状態になっていたものをようやく読めた。 イランが舞台の近未来SF.イーガンにしてはぶっ飛んだ技術はでてこず、 リアリティのある設定。タイトルの「ゼンデギ」はアラビア誤で「life」を意味するらしい。
オーストラリア出身の主人公マーティンは、イラン女性と結婚し6歳の息子と幸せに 暮らしていたが、妻が交通事故で亡くなると同時に、自分が肝臓癌に侵されている ことを知らされる。旧友アシムに依頼し、息子のVR世界「ゼンデギ」でのアドバイザとするべく 自らのプロキシを構築しようと試みるが。。
人格をVR世界に構築するのに、アップロードではなくサイドロードというものが用いられている。 これは、コネクトームで最低限の模擬脳を構築した上で、 対象となる人間に様々な刺激を与えてその結果をMRIでスキャンし、その反応を模倣するように 模擬脳を学習させる、というアイディア。アップロードにくらべるとはるかにリアリティがあるような。
VR世界に対するハッキングの方法も面白いし、 このような技術に対する社会の反応も思考実験として興味深い。 おもしろかった。
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