2017年10月31日火曜日

グレイシー・アレン殺人事件

グレイシー・アレン殺人事件 ヴァン・ダイン ISBN4488103111 創元推理文庫

ニューヨークを部隊に活躍する、私立探偵ファイロ・ヴァンスが活躍するシリーズ。 これは11作めにあたり、ファンの間では凡作という評価らしい。 たしかにこれと言ったトリックがでてくるわけでもなく、オチも 「なんなんだ」と言った感じ。ちなみにこんなタイトルだが、グレイシー・アレンは死なない。 原作は1938年、翻訳が1961年。 内容の古さはさておき、翻訳の文体が古すぎて気が遠くなる。

グレイシー・アレンという若くてちょっとお馬鹿な女性が活躍するのだが、 今の作家が書いたら女性差別ということになりそうな描写だったり。

グレイシー・アレン殺人事件 (創元推理文庫 103-11)
ヴァン・ダイン
東京創元社
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2017年10月27日金曜日

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? フィリップ・K・ディック ISBN4150102295 ハヤカワ文庫 SF

ブレードランナーの新作に備えて、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を再読。 以前読んだ時には「どこが原作じゃ、全然違うだろ!」と思ったのだが、 読み直して見ると作品の本質に忠実な映画化だったような気もしてきた。気のせいかもしれないが。

奥付によると、初版昭和52年、13刷で昭和61年。ブレードランナー公開後のはずなのに、 背表紙にもまったく言及がない。ハヤカワは商売っ気ないなあ。。 アマゾンで見るとまだ同じ浅倉久志訳で売られているようだ。 昭和61年のだとちょっと訳が古い感じがするが、今売られているのはそのへん直ってるんだろうか。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
フィリップ・K・ディック
早川書房
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2017年10月25日水曜日

マイノリティ・リポート―ディック作品集

マイノリティ・リポート―ディック作品集 フィリップ・K. ディック ISBN4150112789 ハヤカワ文庫SF

何年ぶりかの再読。 トム・クルーズで映画化された「マイノリティ・リポート」から始まり、 シュワルツネッガーの「トータル・リコール」の原作(?)「追憶売ります」で終わる短編集。

SF作家は実は未来予測のできるプレコグであり、未来人がポール・アンダースン(「タイムパトロール」の作者) の知恵を借りるために誘拐しに来る「水蜘蛛計画」はSF作家コミュニティものと言ってもいいだろう。 アシモフの「ABAの殺人」もそうだが、当時のコミュニティの華やかさが伝わってきて楽しい。

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)
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2017年10月18日水曜日

とある魔術の禁書目録

とある魔術の禁書目録 鎌池 和馬 ISBN4048663046 電撃文庫

アニメにもなったラノベ作品。魔術と超能力がある世界で、魔術も超能力も無効化する能力を持つが、 能動的な能力はまったく持たない主人公が、記憶に禁書を記憶させられた少女インデックスを守って戦う。

一時流行った「そげぶ(その幻想をぶち殺す)」がちゃんと一巻からでていた。 こういう文体はあまり得意ではないのだけど、構成としては アニメ見てないけどなぜか知ってる超電磁砲の主人公御坂美琴が冒頭部分に出てくるので 最後あたりに出てくるのかと思ったらでてこなかった。 しかし、本編22冊新約18冊も出てるのか。。おそるべし。

とある魔術の禁書目録 (電撃文庫)
鎌池 和馬
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思い出のとき修理します

思い出のとき修理します 谷 瑞恵 ISBN4087468895 集英社文庫

連作短編集。主人公の美容師は仕事と恋愛に行き詰まり、借家となっていた 子供の頃一度だけきたことのある寂れた商店街にある理容室の祖父母宅に 移り住む。向かいの時計屋の青年や大学生との交流のなかで、彼女の身の回りに 不思議な事が起こり、彼女も過去を思い出していく。

甘い、甘すぎる。まあこういのもたまにはいいかもね。 なんか漫画化されているらしい。

思い出のとき修理します (集英社文庫)
谷 瑞恵
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そして扉が閉ざされた

そして扉が閉ざされた 岡嶋 二人 ISBN406184816X 講談社文庫

一人の女性が崖から転落死した数年後、遺族によって個別に呼び出された 4人の男女がシェルターに閉じ込められる。彼らは、シェルターからの 脱出を図りながら、当時を回想して女性の死の真相に迫る。

清々しいほどの本格。トリック命。大変面白かった。 ネタが明らかになると、伏線が一気に回収されて見事。 一点難があるとすると、真犯人があまり良い人物に造形されていないので、 犯人をかばう人がいることにリアリティがないところか。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
岡嶋 二人
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2017年10月14日土曜日

はじまりの島

はじまりの島 柳 広司 ISBN4488463010 創元推理文庫

ダーウィンがビーグル号のと旅の途中にたちよったガラパゴス諸島で進化論のヒントを得た と言うのは有名な話だが、そのガラパゴス諸島上陸中に殺人事件がおきた、という設定のミステリー。 船長、ダーウィン、フエゴインディアン3名を含めた数名が上陸し、ビーグル号は別のしまへ。 その隔絶された孤島で殺人事件が。

キリスト教の影響を受けていないわれわれには、進化論のインパクトはいまいちわからない のだが。フエゴインディアンを第一回の航海で連れ帰り、教育を施してもどした、というのは 史実らしい。なかなかむちゃくちゃなことをやる。 巻末の付記によるとその後フエゴインディアンは天然痘などで絶滅したとのこと。。うーむ。

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2017年10月10日火曜日

百万のマルコ

百万のマルコ 柳 広司 ISBN4488463045 創元推理文庫

対立する都市国家の牢獄に囚われた数名の囚人。その中の一人、フビライ・ハーンにつかえていたという商人 マルコ・ポーロが語る話には常に何かなぞがある。囚人たちはその謎をとこうとするが。。

短編連作集。いろいろな話から断片をとってきているようで、どこかで聞いたような話も。。 叙述トリックにぞくするような話も。

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GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦

GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦 中田 敦 ISBN4822255115 日経BP社

金融に舵を切ったところにリーマン・ショックを食らってすっかり左前になっていたGEが 奇跡の復活を遂げている。その背後には経営者主導での、シリコンバレー式の 経営方針とソフトウェア内製の導入があった。

強力なリーダーシップを持った ジェフ・イメルチの采配なのだろうけど、 2001年にCEOになったときにはまだ45才(!)。つい先ごろ会長になったそうだた、 まだ61だ。

やっぱり若い社長に自由に采配を振らせないとだめなんじゃないのかなあ。。 つい先ごろまで権勢を振るっていた東芝、郵政の老害西室泰三なんて、80すぎても まだ院政をひいていたというのだからどうにもならない。。 大企業は60過ぎたら社長は引退でいいと思うのだが。十分貯蓄あるはずだし。