ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2
ISBN4061498835
講談社現代新書
ライトノベルと呼ばれる作品群に焦点を当て、その構造的な特徴を議論している。いわゆるデータベース消費、キャラクター消費は、もちろんライトノベルの大きな特徴なのだけど、それだけではなく寄ってたつ現実が従来の「自然的リアリズム」「アニメ/マンガ的リアリズム」のどちらでもない、「ゲーム的リアリズム」になっているのであると説く。「ゲーム的リアリズム」では、物語の外部に読み手や環境を含むメタな世界が仮定され、物語が交換可能な選択肢の一つとして相対化される。このような状況で何らかの意味のある物語を書くことは非常に難しく、実際ほとんどのラノベは意味なしになってるんじゃないかと言う気もするが、いくつかの意欲的な作品を例示して解説している。後半は、構造的にライトノベルと重複する「美少女ゲーム」の評論。「ひぐらし」とか「Air」とか、タイトルしか知らなかった作品が何となく分かった。
第2部で評論されている桜坂洋の「All you need is kill」は傑作。スーパダッシュ文庫みたいな、書店での回転の速い文庫に入ってるのでなかなか書店で見かけないのが残念だ。
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
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東 浩紀
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