神は妄想である―宗教との決別
ISBN4152088265
早川書房
「利己的遺伝子」のドーキンスは、 生物は何らかの知的存在(ようするに神様なのだけど明言しない ことで教育現場への浸透を図る)によって設計されているとする Intelligent Design派との戦いでも知られるが、 この本はさらに一歩進んで、全宗教に喧嘩を売っている。
宗教、というか人格神を信じてしまうのは、人間が長上の言葉を信じるように進化した 単なる副産物であり、枯れ木が幽霊に見えるようなたぐいの 錯覚、妄想にすぎないとする。 さらに聖書の内容が現代の視点からみていかに異様なものか、 宗教の名のもとに行われる所業がいかに世界に悪をなしているかを 微に入り細を穿ち議論している。
われわれ無神論者にとってはなんら意外な内容ではないが、 これは相当議論をよんだんではないだろうか。 キリスト教原理主義者に暗殺されないか心配になるくらいだ。
しかし、いくら言葉を尽くしても信者がこの本で意見を変えてくれるとは思えない のがまた苦しい所。。。
回転運動を持つ生物が出てくるファンタジーとして「ライラの冒険」が 上げられているが、日本では石原藤夫の「ハイウェイ惑星」で提案されている。 滅亡した先駆文明が築いた自己修復機能を持つ高速道路網が展開された惑星 で新たに進化した生物が回転構造を獲得する。と言っても車輪は共生する 別の生物で、本体の手足が車軸となって、そこに環形生物が車輪として 共生し、共進化している。ライラのほうは2000年発刊だがこちらは1965年だぞ、 ということを だれかドーキンスに教えてあげてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿