2009年8月14日金曜日

レインボーズ・エンド

レインボーズ・エンド (上・下) ヴァーナー・ヴィンジ ISBN4488705057, ISBN4488705065 創元SF文庫

1981年にセカンドライフ的サイバーパンクの世界を描いた「マイクロチップの魔術師」を書いたヴァーナー・ヴィンジの作品.こちらはいわゆるAR(Augmented Reality)の世界.コンタクトレンズに実装したディスプレイと,洋服に仕込まれたセンサー,密に配置されたローカルネットワークによって,見せたい映像を互いに見せることのできる世界.大衆を任意に制御することのできる技術が開発されていることを察知したインド,日本,ヨーロッパの諜報機関は,サンディエゴの研究機関に,「ウサギ」と呼ばれるエージェントを送り込む.が,ウサギは諜報機関の制御を離れて暴走する.

主人公は,アルツハイマーから最先端医療によって復活した元天才詩人ロバート.治療により詩才は失われている.ロバートはウサギのたくらみによって同様に復活した老人たちと,UCSDの図書館のスキャンにまつわる騒動に巻き込まれる.タイトルの「レインボーズ・エンド」は,老人医療施設の名前.

舞台は個人的に懐かしいUCSD.ガイゼル図書館,スネークパス,ギルマン通り,ユーカリの林,AM&Pまでちょっと出てきたりしてうれしい.

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