2011年10月14日金曜日

クラウド化する世界

クラウド化する世界 ニコラス・G・カー ISBN4798116211 翔泳社

原題は、"The BIG SWITCH"。2008年の著作。この動きの速い世界で 3年たっているが特に内容に古びた印象はない。iPhoneやAndroid などのスマートフォンに対する言及がない程度か。

前半は、クラウドのビジネスへのインパクトの話がメイン。 発電所とエジソンのエピソードは面白いが、まあ、よくある クラウド本のはなしだ。

後半は、いわゆるクラウドの話ではなく、極端にすすむ情報化が 人類に与える影響に関する議論。 情報技術は個人にも力を与えるが、本質的には管理する階層に より大きな力を与えるので、監視と管理がより進行するだろう、 という議論、Mechanical Turkに代表される知的労働からの阻害など。

情報伝達が効率化すると、人々の意見がより広範囲に交換され、 相互理解が深まるだろう、という理想論に対して、 むしろ同質の人間とのみ関わりあることが可能になるため、 意見対立が先鋭化するだろう、という悲観論を提示している。 たしかに、Twitterの「クラスタ化」を見ているとそのとおりのことが 起こっている。 2chでの幼稚な議論(?)もいい例だ。同質の人間が集まって、 火に油を注ぎ合ってただただ炎上していくだけでなんの生産性もない。。。

実際、人間の機能がこの情報化社会に追従していくことができるのかわからんよな。。 GoogleもiPhoneもSiriも大好きだけど、本当にこれが人類全体が 幸せになる道につながってるのか、はたして。

クラウド化する世界
クラウド化する世界
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