七人のイヴ 上下 (ハヤカワ文庫SF)
4150122784, 4150122792
早川書房
文庫本にして上下それぞれ600ページオーバの大作。最近のSFは長すぎてしんどいんだけど、なんでこんなに長くなっちゃうのか。
月になにか(マイクロブラックホール的なもの)がぶつかって7つに砕け、さらにその破片同士が衝突して発生した大量のデブリが地上に降り注ぐ「ハードレイン」が発生することが予想された。人類は、衛星軌道上に設置されたラボをコアに、「ハードレイン」のつづく5000年間を耐え忍ぶための施設を構築する。
第一部がハードレインまで、第二部がハードレイン発生後の衛星軌道上での葛藤、第三部は一気飛んで5000年後、ハードレイン収束後に再度地球に降り立つ人類を描く。
ガジェットと政治状態の記述に異常な量のページ数が費やされていて、ちょっときつい。面白いしよくかんがえられているのだけど。7人のイヴというタイトルは、最初に7つに割れた月のことなのかとおもったのだけど、第二部末で政争の結果生き延びた生殖可能な7人の女性のことだと明らかになる。第三部では、7人の女性のそれぞれの系列が遺伝的な特徴を保ったまま生き延びていて、なんというか、業の深さを感じさせて、つらい。
地中のシェルターで生き延びていたディガーはともかく、原潜で海底にいたピンガーが5000年生き延びていたというのはどうなんだ。いくらなんでもなあ。
0 件のコメント:
コメントを投稿