2013年6月30日日曜日

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)"

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)" 結城 浩 ISBN4797341378 ソフトバンククリエイティブ
リア充数学書、もしくは数学ラノベの第1作。 読む順番が大幅に狂ってしまった。

この1作目だけ描きおろしではなく、Webの連載をまとめたものらしく、 2作目以降といろいろちがっている。まず時間の流れが速い。 高校1年で始まりあっという間に2年になる。 扱っているテーマも、悪く言えば散漫で、2作目以降のような巻を通じたテーマ性は希薄。 あと、ラノベ要素強めかも。いとこのユーリはでてこない。

4巻の感想で、微分も積分も出てこないな~、などと書いていたら、1巻で出てきていた。 しかし、村木先生ってナニモノなんだろうね。

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 1,390

2013年6月28日金曜日

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
攻殻機動隊のTVシリーズの2。2004年にスカパーで放映されたらしい。 1st GIGのラストで解散に追い込まれた9課が、女性首相の後ろ盾を得て復活、 難民に対してテロ行為を行なう「個別の11人」と対峙する。 個別の11人の背後には、内閣情報庁の合田なる人物がいた。 個別の11人の一人であるクゼは、合田のウィルスの影響を逃れ、独自の革命を模索する。

面白かった。しかし、作中の難民問題は色んな意味で詰んでる感じ。このあとどうなったんだろう。 作中の「招慰難民」という言葉、「傷痍難民」だと思ってずっと見ていた。どういうニュアンスなんだろうか。 よくわからん。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Blu-ray Disc BOX:SPECIAL EDITION
バンダイビジュアル (2013-11-22)
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2013年6月25日火曜日

Understanding Computation: From Simple Machines to Impossible Programs

Understanding Computation: From Simple Machines to Impossible Programs Tom Stuart ASIN 1449329276 Oreilly & Associates Inc

中は大きく2つにわかれていて 前半でプログラムの意味論と計算機モデルについて、 後半で計算可能性について論じている。 どちらの分野も専門書は数多くあるが、 Rubyでの実装をとっかかりに、平易に論じているのが眼目。

1章は前提となるRubyの解説、パート1の意味論が2章から5章まで、 パート2の計算可能性が6-9章。

パート1の 2章はプログラム意味論、 3章は有限オートマトンと正規表現、 4章でプッシュダウン・オートマトン、 5章はチューリングマシン。

パート2の 6章はラムダ計算、 7章はさまざまな計算モデルを紹介、 8章は停止性判定プログラムなどの不可能な計算、 9章はプログラムの抽象実行。

かなり変わった本だが、教科書にはいいかもしれない。 やっぱり手を動かして実際に動かさないとわからないからなあ。

Understanding Computation: From Simple Machines to Impossible Programs
Tom Stuart
Oreilly & Associates Inc
売り上げランキング: 2,269,602

Understanding and Using C Pointers

Understanding and Using C Pointers Richard Reese ASIN B00CLX8PL0 Oreilly Media

タイトルはCのポインタの理解となっているが、内容的には もう少し広くて、Cのメモリ管理手法について詳しく書かれている。 実際、ポインタに関する基本的な事項は1章でほとんどカバーされていて、 残りは周辺の話題。

2章はmalloc等による動的なメモリの取得と開放、 3章は関数呼び出し時にとられるスタックの話題と 関数へのポインタの話、 4章はポインタと配列の関係、 5章はポインタと文字列、 6章はポインタと構造体、 7章はポインタに関連するセキュリティ問題、 8章はその他の話題という感じ。

ポインタと配列に関しては、特にポインタのポインタと 多重配列の関連などは理解が難しく、入門書の類では スキップされがちだが整理して書かれている。

Microsoft のVisual Studio C固有の話題や、最新のC11固有の 話題がカバーされているのも興味深い。

Understanding and Using C Pointers
O'Reilly Media (2013-05-01)

任務外作戦

任務外作戦 ロイス・マクマスター・ビジョルド ISBN4488698166, 4488698174 創元SF文庫

マイルズ・ヴォルコシガン シリーズ。時期は前作「ミラー衛星爆破」の直後。 前作で未亡人となったエカテリンを帝都に迎えたマイルズは、 迫る皇帝の婚礼準備を進めつつ、エカテリンへの求婚をすすめようとするが、 従兄弟のイワンが焚きつけた他の求婚者がでてきたり、 クローンの弟マークが持ち込んだバター虫の騒動でなかなか進まない。 さらには、国主になるためにベータで性転換手術をする(元)女性ヴォルや、 遺伝検査で数代前に血が途絶えていることが判明するヴォル、 人口子宮で一気に人口を増やそうとするヴォルなどもでてきて大混乱。。

相変わらずやたら長いがおもしろい。今回はSF色は控えめ。 兎にも角にもマイルズが結婚できてよかった。めでたいめでたい。

下巻の後半は独立した作品「冬の市の贈り物」になっている。 こちら直後のはマイルズ本人の結婚式を描く。なつかしのタウラ軍曹が 登場。寿命が制限されているという設定だったので、まだ生きている というだけで嬉しい。 こういう長いシリーズを読んでいると、古い知り合いみたいな 気持ちになっていて面白い。

任務外作戦 上 (創元SF文庫)
ロイス・マクマスター・ビジョルド
東京創元社
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任務外作戦 下 (創元SF文庫)
ロイス・マクマスター・ビジョルド
東京創元社
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魔法にかけられて

魔法にかけられて
おとぎの国で王子と結婚する予定だったジゼルは 王位を追われることを恐れた王子の継母の女王にだまされ、別世界ニューヨークに流される。 ジゼルを拾ったのは、子持ちバツイチ弁護士のロバート。ロバートはキャリアウーマンの ナンシーにプロポーズしようとしていたが、ジゼルの登場で微妙に。 王子と召使、さらに継母の女王が追跡してきて大混乱。

ジゼルがニューヨークに残り、ナンシーが王子とおとぎの国にいく というオチはどうなんだろうね。ハッピーエンドではあるのだけど こんな安易なオチでいいのかなあ。まあ、そもそも王子とジゼルは 1日前に出会って結婚を決めたといういい加減なものだったからいいのか。

おとぎの国部分がアニメーションで、ニューヨーク部分が実写という作り。 竜がビルから落ちたぐらいで死んだのにはびっくりした。 飛べないのかよ。飛べないならわざわざ高いところに登るなよ。

魔法にかけられて [DVD]
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2010-03-17)
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天使と悪魔 

天使と悪魔 

ラングドン教授が活躍する「ダ・ヴィンチの暗号」の続編。 前法王がなくなりコンクラーベが始まったバチカン市国で 4人の枢機卿が誘拐され、 同時にCERNではLHCで作られた反物質が盗まれる。 そして、イルミナティから枢機卿の殺害予告と反物質による爆破予告が届く。

映画としては安心して楽しめる娯楽作品。Tom Hunksはとにかく安定。 原作だとCERNでの盗難にもう一捻りあったような。 あと、誘拐暗殺の実行犯も非常に単純な造形になっている。 2時間枠に収めるためにはしょうがないのだろうけど。

反物質を作るシーンはせっかくCGでがんばってるんだからもうすこし リアリティのあるプロセスに演出できなかったのかなあ。。。

天使と悪魔 コレクターズ・エディション [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2011-02-23)
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Land of Lisp

Land of Lisp M.D. Conrad Barski ISBN4873115876 オライリージャパン

丹精なモノクロの動物絵で知られるオライリー刊なのに 5つ目の目と象のような鼻がある先カンブリア代の怪物のような キテレツな動物の漫画絵が表紙を飾っていることで話題になった本。

内容は実にまっとうなCommon Lispの入門書。 S式から入って、Quote やMacroを懇切丁寧に解説している。 とはいえ、ところどころに下手うまなマンガが入っていて pure functional をdisっていたりして。

しかしよく考えるとCommon Lispの入門書ってここ20年ぐらい 出版されてないんじゃないのか?? 最近のCommon Lisp関係の本というと On LispやらLet over Lambdaみたいなextremeな本ばかりな気がする。 さすがにそんなことないか?

久しぶりにCommon Lispを眺めてみるとやっぱり非常に強力だし 何でもできるし、いいなあ。久しぶりに使ってみようかな。。

Land of Lisp
Land of Lisp
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M.D. Conrad Barski
オライリージャパン
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2013年6月19日水曜日

わしらは怪しい雑魚釣り隊: マグロなんかが釣れちゃった篇

わしらは怪しい雑魚釣り隊: マグロなんかが釣れちゃった篇 椎名 誠 ISBN410144837X 新潮文庫
適当にキャンプして釣りをしたりしなかったりする顛末を「つり丸」なる雑誌に月一連載したものの第3弾。 なんでもつり丸での連載は既に終了しているようだが、その後週刊ポストに移ってやっぱり月一連載しているらしい。

仮にも釣り雑誌の連載なのに、ほとんど釣れてなくてもそれなりのエッセイになっているあたりがやはり手練である。 ああ、釣りたてのアジとか食べてみたいなあ。

わしらは怪しい雑魚釣り隊: マグロなんかが釣れちゃった篇 (新潮文庫)
椎名 誠
新潮社 (2012-11-28)
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2013年6月11日火曜日

数学ガール 乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)

数学ガール 乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4) 結城 浩 ISBN479736100X ソフトバンククリエイティブ
リア充数学書、数学ガールシリーズの4。 年が1年進み、主人公達は高校3年になってる。 新キャラの高1リサはDovorak配列の無刻印キーボードを使うという通っぷり。 なんなんだ。
今回は順列組み合わせ、確率分布、サーチアルゴリズム、ランダムウォーク、 アルゴリズムのオーダ、乱択アルゴリズムなど。 アルゴリズムは専門に近いのでさくさく読めた。
しかし、よく考えてみると積分はおろか微分すらでてこないのね、この本。 高校数学で素直にカバーされる範囲は出さないポリシなのかな? でも、行列は出てくるな。あれ、今は行列って高校でやんないのか?
この本がでてから2年たつけど、5巻は出てない。出さないのかな??
数学ガール 乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)
結城 浩
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2013年6月9日日曜日

遠野物語remix

遠野物語remix 京極 夏彦、柳田 國男 ISBN4046532777 角川学芸出版

よく知られた民俗学の古典である柳田國男の遠野物語を、京極夏彦が現代語訳。 remixというので、もうすこし原典から離れたものになっているのかと 思ったらかなり忠実な引き写しになっている。 オリジナルの遠野物語も、明治末期に刊行されているので、仮名遣いをのぞけば 別にそんなに読みにくいものではない。わざわざ現代語訳する意味あるのだろうか。

原典は、現地での聞き書きを記録したものなので、 小説というか物語という観点でいうと、落ちも脈絡もないようなものばかり。 そのへんを京極夏彦が怪しくまとめて、物語として編み直すという企画なのかと 思ってたのだけど、そういうものではなかったのは残念。 まあ、京極夏彦が消化したものは今後の作品に反映してくれるのだろう、ということで。

遠野物語remix
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京極 夏彦 柳田 國男
角川学芸出版
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2013年6月8日土曜日

最終定理

最終定理 アーサー・C.・クラーク、 フレデリック・ポール ISBN4150118949 ハヤカワ文庫SF

数学に興味を持つスリランカの青年ランジットは、ささいなことから海賊との嫌疑をかけられ 2年間も投獄されるがその間にフェルマーの定理の別証明を発見する。 一方、銀河の中心では、地球の核開発を検知した知性体が、地球生命体の絶滅を決意し 配下種族を地球に向かわせていた。

「2001年」のクラーク90歳、「ゲイトウェイ」のポール88歳の合作という豪華な代物。 クラークに取っては遺作となった。 タイトルの最終定理の発見がストーリー的にはあんまり効いてこないとか、 異星人の造形がアレであるとか、展開がむちゃだったりとか、 現代のSFとしてみるとあちこち破綻してもいるのだけど、 二人の老SF者が信じ、愛した、人類への賛歌なのだと考えれば、それもまた、いいかなと。 最後のあたりは「幼年期の終わり」っぽかったり。

しかし、ゲイトウェイシリーズって絶版なのね。。電子書籍で出してくださいよ>>早川書房。 あれは今でも読む価値がある。

最終定理 (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C. クラーク フレデリック ポール
早川書房
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2013年6月4日火曜日

きみはポラリス

きみはポラリス 三浦 しをん ISBN4101167605 新潮文庫

恋愛をテーマにした短篇集。
「永遠に完成しない二通の手紙」小学生からの腐れ縁の二人の青年のあいだの友情(?)
「裏切らないこと」回想のなかの老夫婦が実は姉弟だったというのがびっくり
「私たちがしたこと」過去に犯した殺人を胸に秘める男女
「夜にあふれるもの」異常な信仰心を持つ真理子が闇に消える
「骨片」大学文学部を卒業したにもかかわらず実家である田舎の菓子屋で働く女性の、若くして亡くなった恩師への愛を描く
「ペーパークラフト」偶然出会った夫の後輩は実は浮気調査の探偵だった
「森を歩く」謎の恋人捨松は、プラント・ハンターだった
「優雅な生活」恋人との「ロハス」な生活
「春太の毎日」犬の一人称で、飼い主への愛と、その恋人への複雑な思いを描く
「冬の一等星」盗難されたクルマの後部座席にいたために誘拐されてしまった少女と誘拐犯の交流
「永遠に続く手紙の最初の一文」巻頭作品の高校時代の前日譚を描く

きみはポラリス (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
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数学ガール ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

数学ガール ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3) 結城 浩 ISBN4797352965 ソフトバンククリエイティブ

同級生ミルカさん、下級生テトラちゃん、いとこのユーリの3人の美少女に囲まれて 数学に邁進する謎のリア充数学書の第3段。 高校2年の終わりを迎えた主人公とミルカさんは将来の進路を見定める。

ベアノの小売、集合、極限、ε-δ、対角線論法、ときてゲーデル数、ゲーデルの不完全性定理まで。 最後の部分はかなり駆け足になってしまっている。本質的に複雑な証明なので しょがないのかな。

不完全性定理は、高校生の頃どういうわけだか爆発的に流行した ホフスタッターの「ゲーデル、エッシャー、バッハ」で読んでわかったような わからないようなだったのだけど、この本を読んでもやっぱりわかったようなわからないような、 だなあ。字面は追えているけど理解には至っていない感が。。

「ゲーデル、エッシャー、バッハ」再読してみようかな。。買ったはずなんだけど、 さて、どこにあるのやら。。

数学ガール ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ
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